【商いのコト】「なにを、だれに、どう売るか」。CAMP on PARADEオーナーに学ぶ成功の心得

成功も失敗も、すべては学びにつながる。
ビジネスオーナーが日々の体験から語る生の声をお届けする「商いのコト」。

つなぐ加盟店 vol. 30

Camp on Parade

水山裕文さん

alt text

「店を成功させるためには、どうしたらいいか。」

この問いは、店舗を経営する人が日々考え続けているものだろう。今回は“商いの原点”とも言える3つのポイント、

・なにを売るか
・だれに売るか
・どう売るか

に立ち返る取材となった。経営者にとってこの3点を意識することは、至極当たり前のこと。しかし、3点の歯車を上手く噛み合わせることができている店がどれだけあるだろうか。話を伺ったのは、オリジナルキャンプ用品やヴィンテージ品を扱い、コアなファンを獲得している「CAMP on PARADE」のオーナー・水山裕文さん。水山さんがこの3つのポイントに対して導き出した解とは。

【なにを売るか】約8割が“ここでしか買えない”商品

alt text

江戸時代から続く老舗問屋街として知られている馬喰町に、CAMP on PARADEは店を構える。店内に入ると、他のキャンプ用品店では見慣れない品が数多く並んでいることに気づく人もいるだろう。それもそのはず、取り扱う全ての商品のうち、約8割は“CAMP on PARADEでしか買えない“ものなのだそう。

alt text

▲オーナーの水山裕文さん。3年前に初めてキャンプを体験し、その楽しさにのめり込む。2016年4月、趣味が高じてCAMP on PARADEを始めた

同店は、大きく分けるとヴィンテージ品、オリジナル品、そして水山さんが選んだ作家の作品、の3種を扱う。作家は、Instagramからハイクオリティな作品を作って投稿している人を見つけて契約しているのだそう。CAMP on PARADEにコールマンのような大手ブランドのキャンプ用品をほとんど置いていない理由について、水山さんはこう語る。

「“CAMP on PARADEでしか手に入らないもの”を売るようにしているからです。うちではタープを色・サイズともにオーダーできるようにしたり、オリジナルのロゴを入れられるランプを販売したりと、持つ人の個性が出るような商品を販売しています。ヴィンテージものについても軸は変わらず、『チェコがナチス・ドイツに併合されたときに使われていたミル』とか、『天空の城ラピュタで、パズーが地下を探検するときに手に持っているランタン』とか、個性の強いものばかり置いているんです(笑)。」

alt text

▲2階では、オリジナル商品であるタープを作っている。色やサイズをオーダーできる同店の人気商品だ

扱う商品が“どこでも買えるようなもの“だと、消費者は買う店を“価格”で決めてしまう。価格競争に巻き込まれないためにも、“CAMP on PARADEでしか買えない”という要素が非常に重要なのだ。同店はそんな商品が約8割にも及ぶというから、驚きだ。

「うちで販売しているヴィンテージものって、英語の文献を読んだり、海外のマニアックなコミュニティサイトに入り込んだりしないと知り得ないし、手に入らないものなんですよね。だから、そういうものが欲しい人は必然的にうちに来るようになるんです。店にいらっしゃる方は、はっきりと目的を持っている方が多い。店の看板をつけてないのに人が来るんです(笑)。」

alt text

お客様にとって価値ある商品を提供するためには、手間を惜しまない。その姿勢が、圧倒的な差別化につながっているのだろう。「店の看板がなくても人が来る」という水山さんの言葉が象徴するように、“通りすがりの人がふらっと立ち寄る店”ではなく、“他の店には置いていないキャンプ用品が買える店”としてのブランディングに成功している。

【だれに売るか】「金銭的に余裕がある40〜50代のお客様がリピーター」

alt text

売る商品にいくら独自性があったとしても、買う人がいなければ商いは成立しない。一般に、扱う商品がニッチになればなるほど、それを欲しがる人の母数が減るため、差別化と需要のバランス感覚が経営者には求められる。

水山さんが当初ターゲットとして設定したのは、「キャンプをするようになってから比較的月日は浅いが、キャンプ用品にこだわりたいと思っている人」。同店が扱うこだわりの強い商品は、一見するとキャンプを長年楽しんでいる人にこそ受け入れられそうなもの。しかし水山さん曰く、そうした人たちは正統派のブランドを好む傾向にあり、同店のキャンプ用品は、むしろおしゃれさやオリジナリティを追求する最近キャンプを始めた人に好まれるのだそうだ。

同店を始めて約1年半が経過。水山さんは、来店するお客様の傾向についてこう語る。

alt text

「うちは単価が高い商品もたくさんあるので、40〜50代の収入に余裕があるお客様の層が圧倒的に多いですね。この店を経営する中で1番驚いたのは、客単価が想定していたよりも高いということです。『1つ買って終わり』ではなく、気に入ってくださった方は、再び訪れて別の商品を買ってくださることが多いので、1人のお客様が使ってくださる金額は高いと思います。」

単価が高い商品に対して、金銭的に余裕がある顧客をリピーターとして獲得することで、同店はニッチな領域で確実に収益を上げている。【なにを売るか】と【だれに売るか】の2点が上手く連動した結果だと言えるだろう。

【どう売るか】Instagramで商品の魅力を訴求

alt text

▲CAMP on PARADEのInstagramアカウント。フォロワーは13,000人以上(2017年10月末時点)にのぼる。フォロワー数は毎月1,000人から2,000人ペースで増えているそう。

“良いものを作れば売れる”時代は終わりを告げ、「どう売るか」の重要度が年々増している。

CAMP on PARADEは、およそ1年半前に営業を開始して以来、順調にファンを獲得し、売り上げを伸ばしてきた。成長を支える基盤になっているのは、同店のInstagramアカウントだ。

「商品自体がフォトジェニックなので、Instagramを活用すれば売れるだろうと、店を始める前から考えていました。うちでよくあるのは、Instagramの投稿を見たお客様が、『在庫ありますか?』とメッセージをくださって、そのまま購入される流れです。つい先日も、入荷したランプを写真で投稿したらその日の夜には売れてしまったんですよ。Instagramがなかったら、うちの商品は売れていなかったと思います。」

alt text

▲一般ユーザーがInstagramに投稿した写真を利用することで、使用イメージを手軽に多く集めることができる

近年は、SNSを活用した販売戦略をとる企業や店舗が増えている。理由は単純で、人々がSNSを利用する時間が長くなっているからだ。Instagramは「若い女性が使うもの」というイメージが強いかもしれないが、40〜50代がメイン顧客である同店がInstagramを活用して販売に結びつけていることからも、より幅広い世代に対しても十分訴求力があることが分かる。

水山さんは、Instagramの有用性についてこう語る。

「昔は、13,000人の確実に興味を持ってくれている人に向けて広告を打とうとしたらとんでもない額の広告費がかかったでしょう。でも今は、Instagramのアカウントを作って発信するだけ。お客様ともコミュニケーションがとれるし、『商品をキャンプで使っている写真をください』と言えば喜んで提供してくれる。こんなに便利なものを使わない手はありません。」

「なにを、だれに、どう売るか」は単独ではなく、連動して考える

alt text

▲CAMP on PARADEを1つのブランドにすることが、水山さんの今後の目標。現在、テントや焚き火台、やかんなど、いくつかの主要製品をオリジナル商品として作ろうとしている

これまで見てきたことからも分かるように、同店は「なにを、だれに、どう売るか」を確実に押さえている。しかし真に着目すべきなのは、その3点が独立しているのではなく、連動しているということだ。「なにを、誰に売るか」「なにを、どう売るか」「誰に、どう売るか」。これらが上手く噛み合っているからこそ、CAMP on PARADEは着実に歩みを進めている。

alt text

現在商いが思うようにいかずに悩んでいる方は、「なにを、だれに、どうやって売るか」という原点に立ち返ってみることをおすすめする。それらが上手く連動しているかを見つめ直してみると、現状を打破するヒントが得られるかもしれない。

Camp on Parade
111-0053
東京都中央区日本橋馬喰町1丁目12番12号
Tel : 03-5829-9375

Facebook / Instagram


つなぐ編集部おすすめ記事 

【商いのコト】農園の育成、店舗展開、ネット販売。すべてに本気な26歳コーヒー屋店主の挑戦
#コーヒー#運営のヒント#ネット販売

【商いのコト】[g]ift to local - 北陸のものづくりと観光の発信地点に
#金沢#セレクトショップ#職人


(つなぐ編集部)

写真:小堀将生

さらに詳しく

機能満載のPOSシステムがここまで身近に

あなたの成長に合わせた Square POSシステム

無料アカウントを作成

詳細はこちら

最新の情報や使い方のヒントなどを直接あなたのメールボックスへ。

事業成長やマーケティング、会計のヒントなどの特集やアドバイスが満載。