請求書業務を効率化!請求書はアプリで作成がおすすめの理由

取引先から代金などを支払ってもらう際に欠かせないのが請求書。ビジネスが軌道に乗り、取引先が増えて嬉しい反面、請求書まわりの作業に費やす時間と手間が増えて悩んでいる経営者も多いことでしょう。

今回は、請求書作成にアプリを使うメリット、そしておすすめのアプリ三つについて解説します。

請求書作成の流れ

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まず、請求書の作成の流れについて確認しましょう。以下のように、金額の確定から送付まで多くのステップを経ます。また、請求書は取引の証拠となる「証憑書類」として、事業年度の確定申告書の提出期限日から数えて法人は7年間、個人事業主は5年間の保存が義務づけられているので、無くさないように保管することも大切です。

1, 請求金額の確定
2, 請求書作成
3, 印刷
4, 送り状とともに封入
5, 郵送
6, 控えの保管

請求書の作成にあたり、国税庁は五つの記載事項を示しています。

1, 書類作成者の氏名または名称
2, 取引年月日
3, 取引内容
4, 取引金額(税込)
5, 書類の交付を受ける事業者の氏名または名称

上記とあわせて取引を滞りなく進めるために記入したほうが良い項目もあります。

・振込先情報
・支払い期限
・請求書番号

これらの項目を正確に記載した請求書を、締日や発行日のたびに、各取引先宛てに作成・送付するのは時間と手間がかかることです。また、取引先が増えれば増えるほど作成や内容確認、送付に費やす時間が増えるだけでなく、入金確認や控えの保存にも手間がかかります。請求書まわりの作業に毎回数日を費やしてしまうという事業主もいるかもしれません。

請求書作成にアプリを使うメリット

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請求書業務の効率化にあたり、ぜひ導入したいのが請求書アプリです。アプリなら、スマートフォンやタブレット上で簡単に請求書の作成・発送ができます。外出先や出張先からでも、インターネットに接続できる環境であれば、いつでもどこででも利用できるのが大きな特徴です。

請求書アプリは、以下のような課題を解決したい経営者にはぴったりのサービスです。

1,印刷・発送作業にかかる時間とコストが膨大
2,請求書の入力、印刷、封入作業などでミスやトラブルを経験したことがある
3,請求締日や発行日が複数あり、そのたびに入力から発送まで行う手間が負担
4,入金確認など経理業務の負担を減らしたい

請求書アプリを使えば、印刷や発送にかかる時間とコストを大幅に削減し、請求書作成にまつわるミスやトラブルを防ぎ、たとえ請求締日や発行日がまちまちでも簡単に入力から発行までアプリ上で完了できます。

1,印刷・発送作業にかかる時間とコストを削減

請求書アプリ上で作成した請求書をメールで取引先に送ることができるため、発送、印刷のためのインクやプリンター、用紙、封筒などにかかる費用が必要ありません。

株式会社ラクスが2015年に全国にある企業の経理担当者800名を対象に行なった調査では、約90%の人が「紙の請求書を送付」していると答えました。「郵送費や資材のコストを課題と感じる」と回答した人は、毎月の請求書発行通数が100通までの場合は20.8%、101通から300通までは35.1%、301通から1,000通までは47.3%、1,001通以上では51.4%を占めました。「郵送費(切手代)」に課題を感じる人も約90%いることがわかりました。

参考:請求書の郵送コストに関する意識調査(株式会社ラクス)

たとえば、紙の請求書の封入作業を考えてみましょう。パソコンで作成した請求書データを用紙にプリントアウトし、封筒の宛名は印刷するか手書きで記載します。プリントアウトした請求書を折りたたみ、切手などを貼った封筒に封入します。ここまでの作業で1通につき5分かかるとし、毎月100通の紙の請求書を発送するとしたら、毎月約8.3時間、12カ月で100時間も請求書のプリントアウトと封入、発送に費やしていることになります。

時間のみならず、請求書の発行通数が増えるにつれ、切手などの郵送費や紙代、印刷代の負担も大きくなります。中でも発送費については、今後、消費税率引き上げの影響や配送料金のさらなる値上げなどが予想されます。

請求書アプリなら、プリントアウトから封入の手間をメール送信のみで済ませることができます。発送費を削減できるだけでなく、用紙やインクを切らさないよう常に在庫を確保したり、プリンターを置いたり、紙の請求書を保管しておくスペースを用意したりする必要がないため、コスト削減も望めます。

なお、郵送を代行してくれるサービスを使えば、「紙で送ってほしい」というクライアントにも個別に対応できます。

2,請求書の入力、印刷、封入作業などでミスやトラブルを防ぐ

表計算ソフトや会計ソフトなどを使って請求書を作成することもできますが、作成のたびに手作業で請求書番号を割り振り、請求金額や請求内容を入力するのはミスの発生につながりやすくなるだけでなく、時間もかかります。また、封筒に宛先を記入したり印刷したりした後に、それぞれの宛先に該当する請求書を封入するという作業、切手などを貼り付ける作業も、一通一通、手作業で進めなければなりません。時間と手間がかかるだけでなく、封筒の宛先と異なる宛名の請求書を発送してしまい、トラブルを引き起こしてしまう可能性と常に隣り合わせだといえます。

アプリを使えば、あらかじめ登録しておいた請求先情報を呼び出して請求書を作成・送付するのでミスを防止できます。メールで送信するだけなので、発送作業の途中で紛失するといったリスクも大幅に削減できます。

3,入力から発送まで行う手間を軽減。請求締日や発行日が複数あっても大丈夫

請求書アプリを使えば、締日や発行日が複数あっても、事前に登録しておいた請求書名や住所、電話番号などの請求先情報や金額、品名など必要な項目を選ぶだけで、手間をかけず請求書を作成できます。作成した請求書データはクラウド上に保存されるため、同じ内容を請求するときには簡単に複製ができ、タブレットやスマートフォンを買い替えても同じデータを使って問題なく請求書が作れます。

4,経理業務も楽になる

請求書アプリでは入金情報もオンラインで確認できるため、未回収金の確認をはじめとした経理業務の負担も減ります。会計ソフトと連動するサービスを使えば、請求書側で請求を立てると会計ソフト側で売掛金が自動で計上されたり、会計ソフト側で入金確認を行うと請求書側でもステータスが「入金済」となったりするため、経理業務が楽になります。

Square 請求書なら、作成からオンライン送信まで簡単スピード対応

請求書の作成、送信、支払いまでの流れが簡単に。自動送信、定期送信など便利機能も無料。

おすすめ請求書作成アプリ3選

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忙しい経営者にとって、常に携帯しているスマートフォンなどのアプリから隙間時間に請求書を簡単に作成・送信できるのは大きな魅力です。

ここでは、導入も操作もシンプルな、特に初めて請求書アプリを使う経営者におすすめしたいSquare、freee、Misocaの三つのアプリを紹介・比較します。いずれもiOSとAndroidの両方で利用可能です。

請求書アプリ比較表

Square

クレジットカード決済サービスを提供するSquareのSquare 請求書なら、普段使っているスマートフォンやタブレット端末から簡単に請求書作成が可能です。

Squareのアカウントを作成し、手持ちのデバイスに請求書アプリをインストールすれば準備は完了。

使い方もいたって簡単。顧客のメールアドレスと請求額を入力し、送信ボタンを押せば請求書を送付することができます。顧客は、開いたメールからワンクリックで決済画面に飛び、支払いを済ませることができます。

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▲お客様がメールで受け取るSquare 請求書のイメージ

アプリ上から支払い状況の確認ができるほか、支払い忘れを防ぐリマインダー機能、毎月決まった額を請求する際に便利な継続課金機能定期送信機能などが利用できます。

見積書の作成と請求書への変換もワンクリックで完了するため、見積もりから請求、支払いまでのフローを一貫して管理でき、販売管理の負担も減らせます。基本的な機能は無料(※)で利用できますが、請求額を複数回に分けて請求する「進捗請求機能」やテンプレートをカスタマイズしたい人には有料プランがおすすめです。詳しくはSquare 請求書のページをご覧ください。

※決済手数料のみ、取引ごとにかかります。

Square 請求書なら、作成からオンライン送信まで簡単スピード対応

請求書の作成、送信、支払いまでの流れが簡単に。自動送信、定期送信など便利機能も無料。

freee

日々の経理から決算までを行なえるクラウド会計ソフトのfreee。パソコンのブラウザまたはアプリ上から、項目を選ぶだけで簡単に請求書が作成できます。作成した請求書の情報が自動で帳簿にも反映されるため、請求書作成と帳簿付けを同時に終えられます。

郵送代行サービスは1通につき150円(税抜)で、freeeで作成した複数の見積書を合算して請求できる合算機能、あらかじめ設定した日に請求書が自動作成される定期請求機能があります。支払い忘れを防ぐリマインダー機能、英語での請求書作成機能はありません。

小規模事業者や個人事業主向けには、スターター(月額980円)、スタンダード(月額1,980円)、プレミアム(年額39,800円)の3プランがあります。いずれも30日間の無料期間がありますが、無料期間中は郵送代行サービスが利用できません。

Misoca

個人事業主や法人向けの「クラウド見積・納品・請求書サービス」を提供するMisoca。パソコンのブラウザとアプリの両方から多彩なテンプレートを使って、直感的に請求書を作成できます。

あらかじめ指定した日に請求書を自動で作成しメール送付する機能や、「freee」「MFクラウド」「弥生会計 オンライン」などの会計ソフトと連携して取込と仕訳を自動的に行なう機能があります。リマインダー機能、英語の請求書作成機能などはありません。

郵送代行は1通につき160円(税抜)です。18時30分までに依頼すれば、翌営業日に発送されます。

料金プランには、月間5通まで請求書を作成できる無料プラン、15通までのプラン15(年間基本料金8,000円)、100通までのプラン100(年間基本料金30,000円)、1,000通までのプラン1000(年間基本料金10,000円)の4プランから事業の規模にあわせて選べます。

請求書アプリを使えば、これまで請求書の作成と発送、保管に割いていた時間と労力を他のことに使えるようになり、ビジネスのさらなる発展が期待できます。これを機に、請求書アプリで請求書まわりにかかる手間もコストも大幅に削減してみませんか。

執筆は2019年6月20日時点の情報を参照しています。2021年9月10日に記事の一部情報を更新しました。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash