勤務間インターバル制度とは?

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少子高齢化をはじめとする社会環境の変化や働き方のニーズの多様化に伴い、政府は2016年に働き方改革実現会議を設置し、厚生労働省を中心として「働き方改革」を推進しています。働き方改革の施策のひとつとして「勤務間インターバル制度」の導入があります。

今回は、経営者として知っておきたい勤務間インターバル制度について、政府が進める働き方改革との関連、制度導入にあたって参考になる事例や助成制度に関する情報も交えて紹介します。

勤務間インターバル制度とは

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勤務間インターバル制度とは、勤務と勤務の合間、終業時間から始業時間の間に一定の休息のための間隔(インターバル)を設ける制度です。

午前9時始業の企業を例にします。たとえば、ある従業員が午後11時に勤務を終えた場合、翌朝9時の始業まで10時間空くことになります。この企業が勤務間インターバル制度を導入し、インターバルを11時間としていた場合、翌日は午前10時から勤務ができます。

厚生労働省の勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会の参考資料「EU主要国のインターバル制度について」によると、EU(European Union、欧州連合)では、勤務間インターバルが以下のように定められています:

加盟国は、すべての労働者に、24時間ごとに、最低でも連続11時間の休息期間を確保するために必要な措置をとるものとする。

参考:第4回勤務間インターバル制度普及促進のための有識者検討会 配付資料(厚生労働省)

同資料の中ではドイツ、フランス、イギリスのEU指令に基づく規定についても紹介されています。

厚生労働省の「平成29年就労条件総合調査」によると、勤務間インターバル制度を導入している導入企業の割合はわずか1.4%にとどまり、導入の予定はなく、検討もしていない企業が92.9%と圧倒的多数で、制度がまだまだ認知されていない現状も浮き彫りになりました。

参考:平成29年就労条件総合調査 結果の概況(厚生労働省)

厚生労働省は2018年5月31日に過労死等防止大綱の最終案を発表し、勤務間インターバル制度の認知度を高め、制度を導入する企業を2020年までに10%以上にすることを目標としています。

参考:過労死等の防止のための対策に関する大綱新旧対照表(厚生労働省)

勤務間インターバル制度のメリットと障壁

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EUでは導入が進み、日本でもこれから導入が進むことが期待される勤務間インターバル制度ですが、そのメリットと障壁は何なのでしょうか。

勤務間インターバル制度を導入するメリットとして、従業員の休息期間が確実に確保されることが挙げられます。これによって長時間労働や過労を未然に防ぎ、従業員の健康増進や、仕事と生活の調和を保つワーク・ライフ・バランスに貢献する点が挙げられます。

また、従業員は良好な健康状態で安全に業務に取り組むことができ、生産性の向上も期待できます。加えて、人材不足が深刻化する昨今、従業員の健康やワーク・ライフ・バランスに配慮することで、企業や労働環境への満足度が向上し、離職を防ぎ職場への定着につながるかもしれません。

一方で、経営者としては、勤務間インターバル制度の導入にあたって、超えなければいけない障壁も少なくありません。

勤務管理システムの変更や新規導入、労務管理担当部署や従業員への研修といった取り組みが必要となり、少なくない額の費用が発生します。

また、取引先の業務時間を考慮する必要のある営業のような職種や、お客様の来店時間と合わせて業務を行う業態の場合、社内外の理解を得て制度を導入し、シフトの組み替えや人材を増やす必要も出てくるかもしれません。

人材不足が深刻な業種では追加人員の手配が難しく、段階的な移行といった措置が必要となるでしょう。制度導入の難しさは政府も認めるところで、2020年までの勤務間インターバル制度の導入目標では従業員30人以上の事業者を対象としています。

このように勤務間インターバル制度は導入のメリットが大きい一方で、超えなければいけない障壁も少なくありません。

厚生労働省は事業者、特に中小企業での勤務間インターバル制度導入を後押しするべく、制度導入にあたって参考になる情報や助成金を提供しています。続いてこれらについて説明します。

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導入事例・導入のための助成制度

従業員のワーク・ライフ・バランスのためにも勤務間インターバル制度を導入してみたいけれど、どのように制度を導入したらよいかわからない、費用をどう工面したらよいか悩ましいという経営者も少なくないでしょう。

厚生労働省は勤務間インターバルに関する特設サイトを設け、導入事例や助成制度を紹介しています。

参考:勤務間インターバル(厚生労働省)

導入事例としては規模の大きな企業の例が挙がっていますが、部署によって細かく定められたインターバルや、最低目標と努力目標を組み合わせてのインターバル、違反した際の扱いなど、企業の大きさを問わず参考になる情報も少なくありません。また、ウェブの勤怠管理システムと組み合わせる、アラーム機能で退社時刻を通知するといったすでに制度を導入している企業のシステムに関する紹介は、どのように勤務間インターバル制度をサポートするシステムを導入したらよいか具体的にイメージする際に役立ちます。

勤務間インターバル制度導入にあたって発生する費用については、厚生労働省が、「時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)」という助成金を提供しています。一定規模以下の事業者が2019年2月1日までに実施する研修やシステム導入といった取り組みに対して上限50万円が支給されます。申請の締め切りは2018年12月3日となっていますが、予算の制約から早まる可能性があるようなので、注意が必要です。

参考:時間外労働等改善助成金(勤務間インターバル導入コース)(厚生労働省)

時間外労働等改善助成金 には勤務間インターバル導入コースのほか、「時間外労働上限設定コース」「職場意識改善コース」「団体推進コース」「テレワークコース」といった助成プランもあります。時間外労働や長時間労働の改善に総合的に努めているという経営者は、その他の助成プランも検討してみてもよいかもしれません。

長時間労働や過労死の防止はもとより、ワーク・ライフ・バランスや多様な働き方の実現を目指す働き方改革が進んでいます。そのひとつの施策として今後2020年を目標に勤務間インターバル制度の導入が推進されます。日本ではまだ認知度の低い制度で、一部の企業が導入しているのみですが、よりよい労働環境を作り出し、従業員満足度や生産性向上させるためにも検討の価値がある制度といえそうです。

事業や日々の業務を支える従業員の健康は経営者として守っていきたいものです。この機会に勤務間インターバル制度への理解を深め、制度導入に向けたはじめの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。

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執筆は2018年6月29日時点の情報を参照しています。
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