少人数で可能な「インサイドセールス」でマーケティングと営業力をアップする方法

営業活動は店舗や企業に欠かせないものですが、限られた人数で成果を挙げるにはインサイドセールスを効果的に使うことも大切です。インサイドセールスは営業だけでなく、マーケティングの領域にもまたがり、双方をボトムアップする役割も果たします。

今回は、インサイドセールスとは何か、そしてインサイドセールスの実践方法などを紹介します。

インサイドセールスとは

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インサイドセールスの概念自体決して新しいものではありません。オフィスから出てお客様と対面で行なうフィールドセールス(外回りの営業)に対して、オフィスの中で営業活動を行なうことをインサイドセールスといい、リモートセールス、バーチャルセールスなどと呼ぶこともあります。

国土の広大なアメリカで、対面の営業活動が難しかったために電話による営業を行なったことで、1950年代からインサイドセールスが発達したといわれています。日本でもテレマーケティングやテレフォンアポイントメントなどと呼ばれる電話営業は定着しており、商材の種類やターゲット顧客層によってインサイドセールスは大きな効果を発揮することがあります。また、時代性との相性からもインサイドセールスへの注目は高まっています。

インサイドセールスは対面ではないため、顔が見えないセールスというイメージがあります。実際にはビデオや音声通話、メール、ソーシャルメディアなど、さまざまな角度からお客様と接することでニーズを図り、必要な情報を提供しながら心を掴んでいくため、フィールドセールスとは異なるプロセスで購買につなげていく方法といえます。

インサイドセールスが注目される三つの理由

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インサイドセールスは現代という時代と相性が良く、効果的であることから、注目度が高まっています。その理由として、インサイドセールスの以下の三つの特徴が挙げられます。

少人数でも成果が出しやすい

インサイドセールスの最大の特徴は、時間効率の良さです。少ない人数でも多くのターゲットにアタックすることができ、結果的に営業コストの削減もできます。

フィールドセールスを行なう場合は、交通費やお土産代だけでなく、ビジネススーツや靴といった営業スタッフの身だしなみにかかる費用も負担として生じていることを考えなくてはいけません。一方、インサイドセールスであればそれらの費用がかからないだけでなく、フルカラー印刷の資料の代わりにPDFデータや動画を資料として送付することで印刷代も節約でき、訪問先との往復にかかる時間もゼロです。限られた人数、時間、予算で最大限の成果を出すために、特にベンチャー企業や中小規模の事業においてはインサイドセールスは効果的な方法だといえます。

働き方に多様性がある

インサイドセールスの場合、オフィスの内勤スタッフだけでなく、自宅などからリモートで働く人も成果を挙げることが可能です。そのため、子育て中の人や通勤が負担になる人、あるいは日本国内だけでなく海外など遠隔地にいる人も営業活動に参加できます。少子高齢化と人口減少に伴う人材不足が叫ばれる中、リモートワークを上手に活用したインサイドセールスは、これまで見過ごされてきた人材を活用するポテンシャルを秘めているといえるでしょう。

さらにフィールドセールスと異なる点として、仕事方法の習得や引き継ぎがしやすいこともインサイドセールスのメリットです。お客様に顔を覚えてもらうために足繁く通うことや、担当者が変わるたびに挨拶回りをする必要はありません。メールやソーシャルメディアを活用したインサイドセールスなら記録も残りやすく、専用の顧客データベースを用意すれば複数のスタッフ間での情報を共有し、ミスを減らすこともできます。

現代の購買プロセスにマッチしている

インターネットの普及に伴い、人々の購買行動購入は変化しています。気になる商品があれば「検索、比較、検討」というプロセスを挟んでから、人は慎重に購買を決定し、さらにブログやソーシャルメディアで自分の購買経験を「共有」します。インサイドセールスは、こうした現代的な買い物スタイルにマッチした営業手法です。

インサイドセールスならではの営業手法として、メールマガジンなどを通してコツコツと営業提案を繰り返し、ターゲットと長期的な関係を築きながらリード顧客を育てていくやり方は、比較検討をきちんとしてから購入したいという現代の購買スタイルに合っています。

さらに、オンラインショッピングに慣れている人は対面での営業行為に圧迫感を感じたり、比較した上で買いたいため再度利用しにくくなったりします。その点、インサイドセールスならお客様も気軽に問い合わせなどを通じて商品情報を得やすく、結果的に興味を持ってもらいやすくなります。自分で「検索、比較、検討」を行ない十分に納得した上での買い物は満足感も高いため、高評価のレビューなどの形での「共有」も期待できます。

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インサイドセールスで「できること」と実践方法

実践する前に、インサイドセールスは単にフィールドワークの内勤版ではないことを理解しておく必要があります。従来型のフィールドセールス担当者はアポ取り、訪問、提案、受注まで全てを行ない、その前段階となるターゲット層の決定や開拓はマーケティング担当者が行ないます。しかしインサイドセールスはマーケティングとセールスの2領域にまたがって仕事ができる自由さがあるため、主に以下の四つを役割と考え、実践していきます。

A: リード(見込み客)の獲得・育成
B: 提案
C: アポイントメントの決定
D: 失注・保留案件のフォロー

Aの「リード(見込み客)の獲得・育成」はメールマガジンやソーシャルメディアアカウントの運用など、マーケティング領域に重なる部分です。マーケティングとして宣伝や認知向上を図りながら、興味を持つ人を増やしリードを育てつつ、「検索、比較、検討」の材料を提供します。

Bの「提案」は、実際に問い合わせやテレマーケティングなどで、お客様が求めるものや課題へのソリューションを提案することです。電話、テレビ通話、メールなど、お客様のライフスタイルに合った方法を選ぶことが重要です。

Cの「アポイントメントの決定」は、フィールドセールス担当者の訪問が必要な場合に両者の橋渡しをする役割です。たとえば、住宅ソーラーパネルの導入を検討してもらう場合、資料や希望の聞き取りは電話やオンラインで可能ですが、契約は現場の知識を持ったスタッフが設置するの建物を確認してから行なう必要があります。そのためのアポイントメント決定の役割をインサイドセールスが担うことで、フィールドセールスは外回りに専念でき、双方の仕事効率がアップします。

Dの「失注・保留案件のフォロー」も、フィールドスタッフが従来行なっていたものですが、分業することで機会損失を確実に減らしていくことが可能です。具体的には顧客データベースから失注や保留案件を抽出し、個別あるいはレベルごとに電話やEメールで再度アタックしていきます。

このように、インサイドセールスの仕事はマーケティングとフィールドセールスの横断的な領域を柔軟に担うことで、全体としてのコストや時間の無駄を減らしながら売り上げをアップさせていきます。

インサイドセールスの要となる顧客データベース

インサイドセールスを実践する上で、顧客データをわかりやすく管理するデータベースの存在が重要となります。リモートワーカーも参加するとなれば、オンラインでアクセスできることに加え、セキュリティー面の安心も求められます。

Square データは個人のパソコンやスマートフォン、タブレット端末からアクセスでき、顧客データを含むビジネスの情報管理に役立つ無料のツールです。Square POSレジアプリと連動して、実店舗やオンラインストアでいつどんなものを購入したのかが自動で記録され、またはメールや対面でどんなやりとりをしたかなどを担当した人が記録を残せば次のマーケティングやセールス活動に生かせます。購買履歴が一目瞭然なので、リピート顧客向けのセールスにも最適です。情報は個々のデバイスには残らないためセキュリティーの不安もなく、複数人での利用にも適したデータベースといえます。

マーケティング、インサイドセールス、フィールドセールスなど複数の担当者が情報をしっかり共有し、機会損失を減らすためにも、顧客データベースを効果的に活用しながら効率性の高いビジネス環境を整えましょう。

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執筆は2019年4月30日時点の情報を参照しています。
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