キャリアパスにロールモデルはない。正解よりも指針を持つこと。

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キャリアパスは十人十色。人には向き不向きや経験、住む場所、家庭の事情など、さまざまに考慮すべきことがあり、キャリアパスに一つの正解はありません。

あまりにも当たり前のことかもしれません。でも、自分の歩む道を不安に思い「ロールモデルがいたらいいのになぁ」とボヤいたことが、多くの人にはあるはずです。特に、学生や社会人歴がまだ短い人であれば、「ロールモデル」通りのキャリアを固く信じているかもしれません。確かに、模範となる人がいたら次に進む道をその都度迷わなくて済みます。その時は楽かもしれません。ただ、残念ながら人生は想定外のことが起きるもの。キャリアも人生もピンホールゲームです。結局、自分で指針を持って、自分の足で後悔のないようにしっかりと歩まなくてはいけません。

Square, Inc. では、そんな独自のキャリアを切り開いてきた人々がたくさん活躍しています。CFOのサラ・フライヤー(Sarah Friar)は、その一人。多感な子ども時代を、独立運動で爆弾テロが絶えず経済的に貧しい北アイルランドで過ごし、アーサー・アンダーセンの奨学金で学費を工面しながらオックスフォード大学で工学を学び、その後のキャリアを切り開いてきました。2014年にはフィナンシャル・ウーマン・オブ・サンフランシスコからフィナンシャル・ウーマン・オブ・ザ・イヤーを受賞しています。

そのサラ・フライヤーが、ロールモデルがいない中でキャリアパスの判断基準としている4つのポイントを、フィナンシャル・ウーマン・オブ・ザ・イヤーの受賞スピーチ(原文)から抜粋してご紹介します。もしかしたら、あなたのキャリアパスのヒントになるかもしれません。

キャリアパスの4つの道しるべ

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1. アドレナリンの高ぶりを毎日感じる
言うのは簡単ですが、私達の多くはキャリアの大抵の時間を目的をきちんと果たすことに使い、アドレナリンを感じることを避けています。

(大学院生時代にガーナのアシャンティ採掘場で夏のインターンシップを経験した時、)採掘場で働くことがどんなことなのかを学びました。私は化学が実用化されている様子を目にし、微生物の仕組みを利用して硫化鉱物から金を分離させる様子に魅了されました。大勢の人が私がそれまで小さな実験室でしか試したことない技術を巨大なスケールで使っていることに心底驚きました。私もその中の一人でした。

2. 好きなことをする
当たり前に聞こえますよね。ただ、実際に好きなことをするにはどうしたらいいのでしょう。立ち止まって、あなたが何に対して情熱を抱いているのか広い視点で考えてみてください。仕事をリストアップするのではなく、むしろ情熱を抱く対象をピックアップし、仕事とその対象が結びつくかどうかを把握してください。

私の場合は毎年私にインスピレーションを与えてくれるものをリストにしています。
・分析 (まだ好きになれない数字に出会ったことはありません)
・人のマネージメント  (私は人間関係の複雑な課題をあえて好む変人の一人なのです)
・テクノロジー (母親の掃除機から始まって分解することが好きなんです)
・使命感
・旅行

3. 恩は別の人に返す(Pay It Forward)
私は紛争が一番激しかった時代に北アイルランドのシオン・ミルズという小さな村で育ちました。私の地元はヨーロッパの中でも面積に対して一番爆破が起きている町でした。悲しいことに、爆破と銃撃は幼い頃には当たり前のものでした。

わたしはある日、進路室に座って進路情報誌に載っているアーサー・アンダーセン奨学金の広告を見つけました。その時のわたしの気持ちを想像してみてください。当時は奨学金がどれほど人生の扉を開いてくれるか全く気付いていませんでした。例えば、ビジネスへの情熱や、旅を愛することや、オックスフォードに進学する資金や私の視野を広げる機会といったことです。

最初に広告を見た時、絶対に奨学金はもらえないだろうと思っていました。実は、面接を受ける時にあまりにも慌てていて、日付を間違えてしまったのです。

今日(フィナンシャル・ウーマン・オブ・サンフランシスコの奨学生の)皆さんの前で話しているのは定められた宿命です。だから、みなさんも自分の番が来たら恩を誰かに返してください。みなさまにはその能力があると思っています。

4. 経営陣のチームづくりは慎重に、丁寧に関係を築く
これはゴールドマン・サックスで、ある素晴らしい女性から一心に盗んだものです。彼女からは独特なやり方を色々と学びましたが一番心に残っていることは、優れたメンターと丁寧に関係性を築き上げるのと同じように、ビジネスを始める時は慎重に経営に携わるメンバーを集めて、そして関係を育てるという点です。

金融業界で働き始めた頃、メアリー・ミーカーはフォーチュン誌やフォーブス誌、ウォールストリート誌の表紙を飾る(実際未だに飾っていますが)ウォール街の大物でした。彼女をメンターや友人と呼ぶ日が来るなんて考えたこともありませんでした。ゴールドマン・サックス後のキャリアについて考えている時に、Salesforce.com会長兼CEOのマーク・ベニオフにそっとアドバイスを求めました。結局彼とは1年半一緒に仕事をすることになりました。そして、今はジャック・ドーシーと働き、テクノロジー業界に大きく影響を与える人物の行動を目の当たりにしています。加えて、ジャックは率直な感想をくれるんです。

時には冷たく感じるほど率直だけれど、アドバイスが心にすっと入ってくるような誠実さをもって、あなたに接してくれる仲間を見つけてください。彼らはあなたの味方です。

以上、Sarah Friar, CFO of Square, Honored as 2014 Financial Woman of the Yearから抄訳


Square, Inc. CFO(最高財務責任者) サラ・フライアー 略歴
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米Squareの最高財務責任者(以下、CFO)、サラ・フライアー(Sarah Friar)。

オックスフォード大学で工学修士課程を修了後、マッキンゼー・アンド・カンパニー、スタンフォード大学(MBA修了)を経て、ゴールドマン・サックス社に勤め、ソフトウェア分野のリード・アナリスト兼テクノロジーリサーチ部門のビジネス・ユニット・リーダーとして活躍後、salesforce.comの財務戦略のシニア・バイス・プレジデントに就任。2012年にSquareのCFOに就任し、現在に至る。現在、SquareのCFOのほか、SlackNew Relicの取締役も務める。

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