経営者向け、テレワーク導入における業務効率化術

オフィスに出向くことなく自宅などにいながら作業にあたることで、業務の効率化が期待できるテレワーク。世の中の流れに倣って導入してみたものの、これまでとは違ったワークスタイルにうまく馴染めず、不安を抱えている経営者もいるのではないでしょうか。今回はテレワークでの業務効率化術について、経営者として知っておきたい基礎的な知識やおすすめのサービスなどを紹介します。

従業員にテレワークを指示する際に気をつけたいこと

労務管理

テレワークを導入した経営者にとって真っ先に気になるのは、「従業員がオフィスにいる時と同じように働いているかどうか」という点ではないでしょうか。自宅など、同僚や上司の目が届かない場所では、意図的にサボる気がなくてもつい怠けてしまい、本来やるべき仕事が遂行できなくなる懸念があります。こういった労務管理上の課題への対応として、一般社団法人日本テレワーク協会が発表した「テレワークの推進と理解促進のための9つの提言」では、「労務管理の見える化と管理者の適正なマネジメントがポイント」であると示しています。

参考:テレワークの推進と理解促進のための9つの提言(一般社団法人日本テレワーク協会)

業務プロセスの可視化と共有

テレワークに移行する前に、まず業務がどのようなフローで進んでいるかを洗い出してみる必要があります。必要な手続きや決裁のポイントなどを確認し、業務プロセスを可視化し、業務担当者と管理者の間で共有ができれば、テレワークの環境下においてどのように仕事を進めるべきかを明快に把握できるようになります。

成果の可視化と共有

設定した業務プロセスを担当者が滞りなく遂行しているかどうかの判断はどうすればよいでしょうか。オフィスにいる場合は、勤務時間中、目の届く範囲にいる管理者が見て判断するケースが可能ですが、テレワークの環境下では困難であり、何らかのツールを使ったとしても現実的ではありません。

そこで求められるのが、管理方法の転換です。時間による管理だけでなく、成果で判断する管理方法と両立し、バランスをとることが、お互いに負担を減らし、妥当だといえます。これも業務プロセスの可視化と共有がされていることが前提となります。業務担当者と管理者の間で「いつまでに何を成果として提出すべきか」についての共通認識を持ち、もたらされた成果は事前に設定した基準に基づいて成否の判断を行うようにしましょう。

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テレワークに活用できるライフハック

テレワークの環境下では、意識していないと長時間労働になってしまったり、十分なコミュニケーションがとれなかったりして、かえって業務が非効率になってしまう懸念があります。さらに、状況によっては心身の健康を損うようなリスクも招きかねません。そのような状況に陥らないよう、テレワークの環境で働く場合に心がけておきたいライフハックをいくつか紹介します。

スケジュールを管理し、生活のリズムを一定に保つ

朝の過ごし方
テレワークでは、周囲の目がないために時間の管理がおろそかになりがちです。なかでも、1日のスタートとなる朝は特に大切だといえます。

テレワークの場合、「始業時間に間に合うためには、何分発の電車に乗らなくてはならない」「何分発の電車に乗るには何分に家を出なくてはならない」など、オフィスに通勤していたときのような逆算的なタイムリミットの設定が不要となるため、気を抜くと始業時間がどんどん先送りされてしまう心配があります。対策として、起床時から仕事の開始まで、毎日のルーティンを決めておくのがおすすめです。一定の時間に起床、食事、身支度などを行うほか、誰にも会わないからといってルームウェアで過ごすのではなく、普段職場で過ごすときと同じような服に着替えるのも効果的です。簡単に「仕事モード」への意識のスイッチを切り替えることができるでしょう。

メールはまとめてチェック
メールチェックなどの毎日必要な作業は、その都度対応するのではなく午前1回、午後1回など時間を決めて行うようにしましょう。また、メールのやり取りをまとめて行う際には、作業の始まりだけでなく終りの時間も決めておくと効率よく作業を進められ、本来取り組むべき根幹業務への支障も少なく済ませることができます。

さらに、気になることが出てきた場合など、本来の業務には関係のないウェブサイトやソーシャルメディアをチェックしたくなることもありますが、決めた時間以外にはそういった行動をとらないなど、自分なりのルールを設定することも業務効率化には役立つでしょう。

スケジュール管理が難しい場合は発想を切り替える
業務効率の良いテレワークは、大雑把でもいいのでスケジュールを決め、それに沿った形で仕事を進めるように心がけることが基本です。ただし、どうしてもスケジュール管理がうまくいかない場合は、「仕事をするスケジュールを組む」のではなく、「仕事をしない時間を決める」という発想で取り掛かってみると案外簡単に実行できることがあるので、困った場合には試してみてください。

「朝礼」による始業管理
管理者側としては、従業員に始業時間を統一させる方法として、オンライン会議ツールを使った「朝礼」を行うのも一つの方法として挙げられます。テレワークに慣れないメンバーが多い職場では取り入れてみてはいかがでしょうか。

健康を意識する

電車通勤だった人の場合、通勤がなくなることによって歩いたり駅の階段を昇り降りしたりする機会が減り、思いのほか運動量が減ってしまっているものです。その対応として、始業前や終業後、または昼休みに散歩をするなど、定期的に体を動かす習慣を持つようにしましょう。場合によっては曜日を決めて意識的に筋トレをするのもおすすめです。

また、仕事にとりかかっている間でも、長時間座り続けるのは血行が悪くなり、場合によっては血栓を発生させる危険があります。1時間に1度程度、意識して足を動かしたり、立ち歩いたりするようにしましょう。また、水分も思っている以上に失われていくので、定期的に補給するようにしてください。

精神の健康も気遣う

同僚や取引先など、人と会う機会が減るテレワークの環境下では、メンタル面の管理も重要です。知らず知らずのうちに孤独感に支配されていく可能性もあるので、自覚する前にぜひ対策をとっておきましょう。一例としては、ウェブ会議にゆとりを持ってチェックインしておき、同僚とちょっとした雑談を交わす方法があります。また、同居の家族がいない場合はペットを飼うのも孤独感を和らげる効果があるといわれています。

管理者が意識しておくべき点としては、常に従業員からオンラインでのコミュニケーションがとれるようなオープンな環境を作っておき、いつでも気軽に相談ができるようにしておくことが挙げられます。

そのほかにも、インターネット回線の速度や安定感に不安がある場合は、安心できるサービスに変更しておくなど、設備面でのメンテナンスを行っておくと安心です。また、通信や機器に障害が起きた場合に備えて代替案を用意しておくと、気持ちにゆとりを持って仕事にあたることができるでしょう。

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テレワークにおすすめのサービス

1. Dropbox

無料で2GBまで使えるクラウド上でデータを保存し、共有できるサービスです。Windows、MacなどOSを問わず、さまざまなデバイスからアクセスしやすいのが特色。

2. Google ドキュメント

Googleのアカウントがあれば、ブラウザから手早くアクセスできる文書作成、共有サービスです。クラウド上で作業ができるほか、更新履歴なども随時反映されるのでチーム内で資料を共有し、共同作業などをする場合に便利です。

3. Zoom

幅広く利用されているオンライン会議ツールです。無料版でも100人までが同時に参加でき、グループミーティングは1回40分まで、1対1の場合は時間無制限で利用可能。40分という枠を生かすことによって会議の効率化を図っている企業もあるようです。

4. Chatwork

業務効率化に役立つビジネスチャットツールです。作業の進捗状況などを共有したい場合などに便利で、活用方法についてのセミナーなども積極的に行われています。

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執筆は2020年6月8日時点の情報を参照しています。
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