2019年5月の改元を控え、平成も残すところわずかです。そのような中、平成を懐かしく思う消費者の気持ちを刺激するマーケティングがあちらこちらで見られます。
今回は、平成最後と絡めたイベントやマーケティングのポイントを伝えます。
「平成最後」とは
平成は、昭和天皇が崩御された翌日の1989年1月8日から始まりました。
2019年4月30日に天皇陛下が退位され、翌日5月1日に皇太子さまが即位されることとなったので、平成は2019年4月30日まで使用され、翌日からは新しい元号が使用されます。新しい元号は2019年4月1日以降に発表が予定されています。
参考:新元号公表は4月1日以降 政府が調整(2018年12月5日、FNN PRIME)
改元にともない、平成から新しい時代に移行する時代の節目を「平成最後の夏」「平成最後の年末商戦」といったキャッチフレーズをマーケティングに生かす動きが見られるようになりました。2019年の年初に平成の出来事や流行と関連づけた「平成最後の福袋」を目にした、手にしたという人も少なくないでしょう。
年末年始に平成最後を銘打ったセールなどチャンスを逃してしまったという事業者もまだ遅くはありません。ここからは、4月までのイベントと組み合わせて、平成最後をマーケティングに活かす際のポイントを伝えます。
2019年のイベントと「平成最後」を組み合わせる
平成が終わる4月末までには、2月のバレンタイン、3月のホワイトデー、3月後半から始まる春休みの旅行、3月末から4月にかけてのお花見といったイベントがあります。関連する分野の事業者はこれらのイベントと平成最後を組み合わせ、マーケティングに活かしてみてはいかがでしょうか。
バレンタインとホワイトデー
新春のセールや成人式が終わる頃には、デパートや店舗にはバレンタインの商品が並び始めます。ブランドのチョコレート、有名パティシエのチョコレート、海外の人気店のチョコレートが広く紹介され始めたのも平成に入ってからです。少し特別な商品やプランを用意して、食品や飲食にかかわる事業者はさりげなく平成最後のバレンタインを演出してみてはいかがでしょうか。バレンタインと対になるイベント、ホワイトデーでも平成最後を活かすことを考えてみてください。
春休みの旅行
3月の後半になると春休みが始まります。夏休みほど長い休みではありませんが、旅行に出かけるという人も少なくありません。中でも卒業旅行は特別な旅行で、平成最後と組み合わせて少し豪華な旅行や宿泊のプランを用意してみてはいかがでしょうか。逆にお客様への感謝を込めて「平成最後の大放出」のようにお得なプランを打ち出すという手もあります。
また、平成は世界的には激動の時代でもありました。平成のはじめと終わりでは大きく様変わりした国も少なくありません。東西の壁が崩壊したドイツの首都ベルリンは今では世界から才能を集めるクリエイティブな街に変わりつつあります。冷戦の終結は東欧諸国、ロシアをはじめとする旧ソ連諸国などにも大きな変化をもたらしました。これらの国や都市にまつわる旅も、平成最後の今、時流にあったものといえるでしょう。
旅行業では平成最後と銘打って、思い出づくり、時代を振り返る旅などさまざまな企画が考えられそうです。
お花見
3月から4月にかけてはお花見のシーズンです。平成最後のお花見とあればより記憶に残るものになるでしょう。
桜の見える好立地の飲食店では平成最後のお花見プランを企画してみてはいかがでしょうか。また、例年お弁当を買って公園などでお花見をする人も少なくありません。平成を思い起こさせる食材や料理を入れた平成最後のお花見弁当、バブルを思い出させるお酒とツマミのセットなどは、話の種にと購入するお客様が出てくることでしょう。
「平成最後」を利用したマーケティングのポイント
前半ではイベントと組み合わせた平成最後のマーケティングのアイデアを紹介しましたが、後半では平成最後を利用したマーケティングで抑えておきたいポイントを伝えます。
お客様の平成の体験とつなげる
平成最後を冠した商品やサービスは、お客様の体験とつながって当時を懐かしく思わせることで、魅力的なものになるといえます。
平成には時代を象徴するような出来事や流行がたくさんありました。ファッションではボディコンに、ルーズソックスやミニスカードなどのスタイル、スポーツではJリーグのスタートや大リーグでの日本人選手の活躍がありました。エンターテインメント分野ではさまざまなゲームやゲーム機が誕生し、最後の10年ではスマートフォンが登場してアプリでゲームをするようになり、平成のはじめには誰も想像しえなかった状況になりました。また、音楽とともに平成のその時々を覚えているという人も少なくないでしょう。
これらの出来事と関連するサービスや商品を単品で、または振り返る形でシリーズとして提供してみるとよさそうです。平成の出来事や流行とからめたイベントの企画も平成最後と相性がよいといえます。平成ファッションに特化したクラブイベント、平成にヒットした映画の連続上映会などさまざまなイベントが企画できるでしょう。
平成最後を豪華にという消費者心
平成最後という時代の節目でお客様の心は消費に向かっていると考えられます。「平成最後のご褒美に」といった切り口で少し豪華なサービスや商品を提供してみてもよいかもしれません。
旅行業については前半で触れましたが、そのほかにも美容院、エステサロン、整体、飲食業などさまざまな業種でこの切り口でマーケティングキャンペーンを展開したりイベントを企画したりできます。
平成最後を利用したセール
豪華路線のアイデアとは逆に、「平成最後のお客様大感謝」といった形でセールをしたり、在庫を放出したりすることで、売り上げや客足をのばすことも期待できます。平成の出来事や流行とあまりつながりのない業種でも利用しやすい手法といえるでしょう。
平成最後を利用したマーケティングのアイデアや要所を紹介しました。平成最後をマーケティングに利用できるのは2019年4月までです。本記事をきっかけにこのキーワードを事業に活かすことを検討してみてください。
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執筆は2019年1月14日時点の情報を参照しています。
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