働き方改革が徐々に浸透しはじめているなか、政府は「休み方改革」の推進にも注力しています。
今回は休み方改革にスポットをあて、働き方改革との違いや施策内容について説明します。
休み方改革とは
「休み方改革」とは、官民一体となって従業員が休みやすい環境をつくっていこうという取り組みです。
適切な労働時間とほどよい休暇は、従業員のモチベーション向上と業務効率化につながり、その結果、企業にとっても生産性向上や事業拡大につながるという狙いがあります。
現在の日本ではゴールデンウィークやシルバーウィーク、年末年始など働く人が長期で休める時期が集中しやすくなっています。これらを分散して取得できるような環境を整えることにより、全体的に休暇が取得しやすくなることを目指しています。
働き方改革との違い
休み方改革では、「休む」ことに着目し、働く人が十分に休暇が取れることや充実した休息時間を過ごせるための取り組みです。
働き方改革では、「働くこと」に着目し、長時間労働を改善して生産性を高めた結果、労働時間が減少して休む時間も増えます。双方で切り口は違うものの、効率よく働くことで、プライベートの充実といったワーク・ライフ・バランスの実現につながります。
主な施策内容
休み方改革の具体的な施策を紹介します。
キッズウィーク
学校の夏休みなど長期休暇を分散させることで、家族がまとまった休日を過ごせる機会を持てるようにする取り組みです。全国の学校に対して休暇の日程変更を要請するとともに、労働時間等設定改善法に基づいた指針を改正するなど、有給休暇が取得しやすくなるように推進するものです。
大人と子どもがともに過ごすことで家庭教育の充実を図り、さらに有給休暇の取得率アップや地域経済の好循環なども目指している施策です。
参考:大人と子供が向き合い休み方改革を進めるための「キッズウィーク」総合推進会議(首相官邸)
プレミアムフライデー
プレミアムフライデーは、毎月の月末金曜に早めに仕事を終わらせ、いつもよりも少し豊かな時間を持つ習慣を定着させようとした取り組みで、2017年2月にスタートしました。ワーク・ライフ・バランスを見直し、充実感や満足感につながるとともに、消費の活性化にもつながると期待されている施策です。
参考:プレミアムフライデー ~月末金曜、豊かに過ごそう~(経済産業省)
プラスワン休暇
ワーク・ライフ・バランスを目的とし、計画的な有給休暇取得を促す取り組みです。プラスワン休暇は、たとえば土日・祝日の休みにもう1日休暇を組み合わせることで、3日(2日) + 1日の連休を取ろうというものです。
事前に有給休暇を取得する日を決めておくことで、企業としては計画的に業務が遂行でき、従業員は事前に休みの計画を立てやすくなるというメリットがあります。
年次有給休暇の「計画的付与制度」を活用することで、プラスワン休暇が実現します。この制度を導入している企業は、導入していない企業よりも年次有給休暇取得率の平均が5.3ポイント高くなっているようです。
参考:「プラスワン休暇」で休み方を変えよう。働き方を変えよう。(厚生労働省)
年次有給休暇の計画的付与制度の導入に向けて(岡山労働局)
日本における「休み方」の現状
有給休暇取得状況をもとに、日本の「休み方」の現状を見てみます。
有給取得状況
厚生労働省がまとめた「平成29年就労条件総合調査の概況」によれば、平成28年の年次有給休暇の取得率は49.4%(前年48.7%)でした。
前年度に比べてわずかに改善されてはいるものの、政府が目標としている「2020年までに有給休暇取得率70%」とはまだまだ大きくかけ離れているのが現実です。
また、日本人の有給休暇消化率は50%という調査結果も出ています。調査対象の30か国中、2年連続の最下位でした。
2009年からさかのぼってみても2014年・2015年は下から2位、それ以外の年はすべて最下位です。ブラジルやフランス、スペイン、香港、オーストリアでは100%の消化率で、日本は他国と比較して消化率が低いことがわかります。
加えて、有給休暇の取得に罪悪感を持つと答えた人の割合は、日本63%、韓国61%、シンガポール35%と、日本が一番割合が高いことが分かりました。有給休暇を取得することに対する罪悪感も有給消化率の低さの一因と考えられます。
参考:有休消化率2年連続最下位に!有給休暇国際比較調査2017(エクスペディア・ジャパン)
オリジナルデザインのギフトカードを導入
自店限定カードを作る社内での休み方を把握することが重要
従業員にとって働きやすい環境を整えるために、経営者は従業員の有給休暇取得状況をきちんと把握することが大事です。有給休暇取得日数はどの程度か、どの部署が多いか少ないか、従業員が有給休暇を申請しにくい雰囲気になっていないかなど、現場の意見に耳を傾けてみることが大切です。個人・部署別などヒアリングを行うとともに、課題や問題点を明らかにする必要があります。
ツールを活用して、休み方改革を実行する
休み方改革を実行するために、業務の見直しを行うことも大切です。たとえば、特定の人しかできない業務はなくす、ITツールの活用で業務効率化を図るなどが挙げられます。
勤怠管理の徹底も重要です。たとえばSquareのスタッフ管理機能はタイムカード機能も備わっているので従業員の出退勤を記録できます。加えて、売り上げデータの分析など経営の効率アップに役立つ機能も使えます。ぜひ導入を検討してみてください。
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執筆は2018年6月14日時点の情報を参照しています。
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