お客様の「楽しいな」「何買おう?」を促す店舗装飾〜日本の夏編

商品を求めにお客様が日々訪れる小売店。商品の売り手である店舗は、売り上げを増やして利益を作るために一人でも多くのお客様に、一つでも多くの商品を、なるべく高い単価で売ることが理想ですが、変化し続ける市場の中でニーズも生活スタイルも異なるお客様全員をターゲットとした戦略を打ち出すことはかんたんなことではありません。

長く続く繁盛店を作るためには、低コストで効果が得られる宣伝広告を考えたり、顧客満足度の向上に繋がる施策を打ち出していくことが重要ですが、当然、実際に来店してくれたお客様をもてなすのも店舗側の重要な役目の一つといえます。

それぞれ異なる目的を持って来店したお客様が滞在中にお店に好感を持てば、店舗のイメージアップに繋がるだけでなく、積極的な購買行動や繰り返しの来店が期待できます。

今回は、小売店が来店中のお客様に提供するおもてなしの一つとして、店舗装飾についてお伝えします。本格化する夏に向けて、是非参考にしてください。

店舗も模様替え

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夏に向けて人は春服から夏服に衣替えをし、犬は冬毛から夏毛に生え変わりますが、同じく店舗も模様替えが必要です。梅雨明けしたにも関わらずいつまでも入り口付近で雨の日グッズを販売していたり、一年中クリスマスツリーが飾られているような店内ではお客様も違和感を覚えてしまいます。

せっかく四季折々の表情を楽しめる日本にいるのですから、季節に合わせた装飾でお客様の滞在時間や購買行動を一緒になって盛り上げてみましょう。夏の到来を演出し、楽しい気分を掻き立てる装飾にはどのようなものがあるでしょうか。

夏らしい植物

夏に元気に咲く花で店内を明るく彩ってみましょう。夏の花といったら朝顔やひまわりを連想する人も多いのではないでしょうか。ポップ広告に分かりやすいイラストを加えたり、植木鉢を店先に置いておくだけでも夏らしさが演出できます。

ハイビスカスや椰子の木は、朝顔やひまわりほど身近な植物ではないかもしれませんが、南国やリゾート地というイメージを持つ人が多く、夏の到来と同時に夏期休暇やバカンスに対するワクワクを盛り上げるのに効果的といえます。とはいえ、南国の植物をすぐに手に入れるのは難しいかもしれないので、造花を使ったり、ボール紙を使って店内の柱を椰子の木に似せてみるのも面白いかもしれません。

夏の風物詩

蝉の声が鳴り響く夏の暑い日の昼下がり、時折聞こえてくる風鈴の音に涼しさやほっとするような心地よさを覚えることはありませんか。かき氷を提供していることを意味する「氷」という大きな文字を見ただけで、カンカン照りの太陽の下で一瞬でも涼しげな気分になれることはありませんか。

暑い日本の夏を切り抜けながらも趣や快適さを模索してきた先人たちの工夫のおかげもあって、風鈴やかき氷の看板など、人々の認識の中に共通して存在する「夏の風物詩」と呼ばれるものを思い浮かべてみましょう。

他にも、うちわ、蚊取り線香(やはりテレビCMなどでよく使われる蚊遣豚が最適でしょう)、スイカ、トウモロコシ、ラムネ、海水浴、すだれ、金魚、カブトムシ、麦わら帽子など、集客ターゲットのお客様にとって夏を連想させるアイテムは何かを想像しながら店舗装飾に取り入れてみてください。

装飾とはいえ、小道具を購入したり装飾物を保管するにはコストがかかります。店内のどこに、どのように装飾すると人目に留まり効果的かを意識し、また、装飾期間や保管・処分方法を考慮しながら購入または借用するようにしましょう。もちろん手作り装飾もお店をユニークにするアイデアの一つです。子ども向けの売り場であれば、朝顔やカブトムシを折り紙で折って商品棚に飾り付ければ可愛らしい演出になるのではないでしょうか。

商品で夏のシーンを再現

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アパレル店であれば、この夏の一押しアイテムを前面に売り出したいところでしょう。ところで、季節を大きく反映する衣料品ですが、商品としてだけでなく、店舗装飾としても一役買うことができます。

例えば、海水浴におすすめのコーディネートがあったとします。お父さん、お母さん、子どものマネキンにそれぞれ合った商品を着せてディスプレイしてみましょう。ただマネキンを並べるだけでなく、床に砂や貝殻を置いて砂浜を演出したり、子供マネキンに浮き輪をもたせたり、ピクニック用のシートの上に飲み物やお菓子を置いて「夏休みを海で楽しむ家族」のシーンを演出してみましょう。同じような家族構成を持つお客様は、再現されたシーンに共感すると同時に、それぞれのマネキンが着ている商品やコーディネートに興味を持って入店するかもしれません。

小売店ではどのような夏のシーンが再現できるでしょうか。例えば、スーパーで一年中販売しているお菓子を、夏祭りなどでよく目にする夜店を模った売り場に陳列してみます。大きな文字で「駄菓子」と書かれた看板や、提灯、カラフルなビニールシートなどを見て、日頃利用しているスーパーの一角にも関わらず、本当に夏祭りに訪れているような気分になるお客様もいるのではないでしょうか。笛太鼓の音を背景に、頭に手ぬぐいを巻いた従業員が夜店風の売り場に立っていたら、なおさらお客様の楽しい気持ちを掻き立て購買意欲を促すことができるかもしれません。普段の何気ない買い物をちょっとした工夫で特別なものにするのも店舗装飾の効果の一つといえます。

おもてなしの先

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「浴衣販売始めました」とだけ書いた貼り紙をするのと、花火が上がる夏祭りの夜が描かれたのぼりに涼しげな字体で同じ文言を書いて店頭に設置するのとでは、後者の方がより多くのお客様の目を惹きつけるということは想像に難くありません。例えば同じ情報でも、ちょっとした色使いやデザインの工夫で見る人が受ける印象は大きく異なります。

しかし、店舗装飾とはお客様に見て楽しんでもらうことだけが目的ではありません。季節感の演出というおもてなしを通して、お店での経験を楽しんでもらうと同時に、購買意欲を促すきっかけやお店のイメージアップに繋げることを意識する必要があります。

夏にしか売り出さない商品や、夏だからこそ多く売りたい商品などをピックアップして、夏期休暇や夏のレジャーなど夏ならではの季節の楽しみを連想させる装飾で、普段とは異なる売り方や売り場に演出を加えてお客様を惹きつけてみましょう。

プロモーションツールに適したプリペイド式のオリジナルギフトカードで夏限定デザインを発行するのも季節感を表現すると同時に「お店らしさ」を発揮するチャンスになるでしょう。

参考:
いいことだらけ!今すぐギフトカードを導入するべき理由まとめ
季節に合わせた集客のアイデアを〜夏のはじまり7月編〜

執筆は2017年7月3日時点の情報を参照しています。