ビジネスのコア部分により注力できるテクノロジー|清川リトルスタンド
お話を伺ったのは下野弘樹さん。
<プロフィール>
「小商い」をキーワードに、ふくおか小商い部の立ち上げや「Future Studio 大名+」の企画運営、小さくチャレンジできる場とコミュニティづくり実施中。
最近では、福岡で1坪ショップの集まった清川リトル商店街を企画し、それを広げるため全国リトル商店街ネットワーク主宰。さらに2017年1月より自らはリトル商店街をコンパクトに進化させた清川リトルスタンドを実験中。
下野弘樹さん
清川リトルスタンドについて
今年1月半ばより、福岡で小商いをテーマとした様々なクリエイターブランドが集まるセレクトショップと随時ポップアップショップも開催する清川リトルスタンドをオープンしました。お店を始めて1ヶ月ぐらい経った時点で、初めて東京のイベントに出店しました。
クレジット決済が拍子抜けするほどかんたんでした
東京に出店をした時に初めてSquareのリーダーを使ってカード決済に対応しました。無事にできるのか少しドキドキしてましたが、拍子抜けするぐらいあっという間に、かんたんに決済が完了しました。
個人的に気に入ってるポイントの1つがカードリーダーのデザイン性。よく見るのは“THE カード決済端末”という感じでちょっとダサいと思ってました。余分なものをそぎ落としてシンプルに洗練されたデザインが好きな方や、それがお店のブランドイメージに合う方には最適かもしれません。
POSレジに求めたのはシンプルさ
レジアプリにまず求めたのはシンプルさでした。何の説明も見ずに直感的にできたのは高評価のポイントです。他社のアプリも使ってみましたが、直感では難しい部分もあり、色々と機能がありすぎてその多くは自分には必要なさそうだなと感じました。
これはどのレジでも共通だと思いますが、最初に商品登録をしないといけず、小さなお店ですが、50種類ぐらいあるのでちょっと大変でした。ただ、商品データが事前にあれば一括で登録できるようです。商品登録さえ終わればあとの会計はラクラクです!
商売を始めた時は商品やサービスはもちろん、ディスプレイや接客などすべての改善サイクルを早く回さなければいけません。そこに注力するためにはそれ以外のことにはなるべく手間や時間や労力をかけないのが最善でしょう。
便利な機能をあれもこれもと求めても、それがお客様への価値向上につながるものでなければ全く意味はありません。お店や商売をなるべく早いスピードで日々アップデートしていくことこそが、お客様の満足度向上やブランドのファンづくりにつながっていくと思います。
Squareは商売やビジネスのコア部分により注力するためのテクノロジーだと聞いていましたが、実際に使ってみて単なる決済サービスではないと納得しました。
Square データと観察結果の両方を施策に活かす
売上データや在庫管理のデータはSquareデータという管理画面から確認することができます。こちらもシンプルな仕様なので使いこなしやすいと思います。データというと難しく感じる方もいるかもしれませんが、単純にいえば自身の商売やビジネスを客観的に見るということ。
ただ、定量的なデータはSquareデータから得られますが、そこからどう分析するかは自分次第です。
例えば私の場合、定量的データだけでは足りないので、定性的データもとっています。
上記の画像のようにスプレッドシートに時間帯ごとの来客数と、どんなお客さんが来て、どんな反応だったかという、観察(主観)によって得られたデータを記録しています。
清川リトルスタンドでは12くらいのブランドを取り扱っているので、ブランドごとにカテゴリー分けをして売上データや営業時の観察結果から分析し、各ブランドの商品の置き場やディスプレイを変更しています。また、1つのブランドの中に複数の商品がある場合、売りたいバランスと実際の売れ行きを比較して、ギャップがあれば改善するような施策を検討しています。
曜日や時間帯によって一定の動向がある場合もマイナスをカバーするかプラスを伸ばすかの施策を考えてやってみて、その結果をまた分析して次に活かすということが必要です。
主観と客観によって得られたデータから仮説を立て施策を試し、またその結果を分析して次の施策を決める。その繰り返しが重要で、そのためにもツールは必要最小限で十分です。
商売で重要なのは日々の積み重ね
店舗で商売を始めてみて、そして周りの店舗経営者の話を聞いていると、やはり重要なのは目の前のお客さんを大事にすることだと実感しています。言い換えれば、日々の積み重ねです。お客さん側の視点から見てこの基本が十分にできているお店は多くはないと感じます。
日々のトライ&エラーを繰り返す先にこそ、他に真似できない店舗やブランドづくり、お客様との深い関係性、安定的な店舗経営などがあるのではないでしょうか。
そして基本を大事にしつつ、商売の範囲を少しずつ広げていくこと。
お客様を増やしていくために、より満足してもらえるように、テクノロジーやツールを使うことはあくまでも手段であり目的ではありません。
私と清川リトルスタンドはまだまだよちよち歩きですが、少しずつでも日々進化していきたいと思います。