韓国は、クレジットカード決済の利用率が高いといわれる国のひとつです。平昌(ピョンチャン)冬季大会の開催に伴い、期間中(2月9日〜25日)には競技会場を中心に、世界中の国や地域から選手や観客が韓国にやってきます。これから観戦に行くという人もいるのではないでしょうか。
旅行者も増えることから経済効果も大きい平昌大会。現地でショッピングをする際には、どのような決済方法が利用できるのか、日本との比較を通して、韓国の決済事情をまとめました。
韓国のクレジットカード利用率は70%以上
韓国では、クレジットカードの利用率が72.3%(2015年時点)と、かなりの割合を占めています。デビットカードやEマネー(プリペイドカード)なども合わせると、現金以外での決済が90%にも上ります。
カード大国といわれる米国でもクレジットカードでの決済率は25.1%、日本は16.6%であることを考えると、韓国のキャッシュレス決済の浸透率の高さがよく分かります。
参考:日本のクレジット統計 2016年(平成28年)版(一般社団法人・日本クレジット協会)
スマホやタブレットでカード決済を受け付ける
Squareでカード決済カード決済普及の理由は?
今でこそ世界有数のカード大国となった韓国ですが、クレジットカードが普及し始めたのは、ここ20年ほどのことです。1997年のアジア通貨危機以降、韓国政府は内需拡大のためにカード取得や利用の規制を大幅に緩和しました。加えて、クレジットカードの年間利用額に応じた所得税控除の制度を設けたことなどによりカード決済が一般化したといわれています。
また、カードの利用控えに付く番号を対象に、毎月抽選を行い、賞金が当たるという宝くじのシステムも韓国政府によって運営されています。少額利用でも抽選券になるため、韓国では10,000ウォン(約1,000円)程度の買い物でもマメにカードで支払うという習慣が根付いているようです。高額な買い物での利用が多いといわれる日本とは対照的です。
カードによる決済は売り上げ記録が正確に残ることから、クレジットカード加盟店の増加は韓国政府にとって脱税防止策にもなっているようです。韓国では1999年から一定の売り上げがある事業者にはカード決済導入が義務付けられ、利用可能な店舗が増えたことでカード利用の利便性が向上しました。たとえば、地方の小さな食堂でもクレジットカードが使えるといわれるほどの普及ぶりで、消費者側も店舗側もクレジットカードに慣れ親しんでいる現在の韓国の状況は、国の施策が奏効した結果といえるでしょう。
カードが利用できる場所、利用方法
韓国ではデパートや免税店、コンビニエンスストア、スーパーマーケットのほか、多くの個人商店やホテル、病院、タクシーでクレジットカードが利用可能です。両替手数料がかかる現金より便利なことから、旅行者もクレジットカードをメインで使用することが多いといわれています。
利用方法は、日本とほぼ同じです。クレジットカードのブランドは、VISA、Mastercard、American Express、銀聯といったブランドに加え、日本で生まれた国際ブランドJCBも利用可能です。
平昌大会会場での決済
韓国の地元メディア聯合ニュースによると、平昌大会の競技場区域内で利用できるのは、現金またはVISAのクレジットカード・プリペイドカードだけとなっています。クレジットカード社会の韓国なら国際ブランドのカードで問題ないはず、と思って大会会場を訪れる人は注意が必要です。
ただし、会場でVISAのプリペイドカードを購入することもできます。このプリペイドカードの購入には、VISA以外のクレジットカードも利用できます。
参考:[平昌五輪]競技場区域 カード払いは「VISA」のみ=金融監督院
韓国は、カード決済の普及に伴って非接触IC技術を利用した決済サービスも早くから導入されていることから、NFC(近距離無線通信/Near Field Communication)の先進国として知られています。
大会スポンサーであるVISAは同会場でのプリペイドカード決済に向け、NFC機能を搭載したウェアラブルアイテムをリリースしています。NFC機能を搭載したグローブ、ピンバッジ、ステッカーの3つのアイテムは、プリペイド式でチャージ金額をあらかじめ選べます。アイテムを支払い端末にかざすだけで決済が可能です。寒い屋外でクレジットカードやスマートフォンを取り出さなくても決済ができるため、訪れる人にとって利便性が高いアイテムです。
参考:Visa、2018年冬季五輪の観客向けにウェアラブルペイメントデバイスを発表
会場外では多くの店舗でVISA以外のカードブランドも利用できますが、会場内では利用ブランドが限られているので不便なこともあるかもしれません。観戦の予定がある人は、会場内で使う現金とVISAカードの用意をおすすめします。
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執筆は2018年2月7日時点の情報を参照しています。
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