店舗運営者が知っておきたい予約システムの作り方とは?

飲食店や美容室、理容室など、予約システムを採用している店舗は数多くあります。2019年に行われた調査では、美容室の予約に利用した手段は「電話予約」の36.6%に対して「ネット予約」が46.1%となり、ネット予約が電話予約を上回りました。今や、ネットで予約できるかどうかは、集客に大きな影響を与えるといっても過言ではありません。この記事では、予約システムを自社で作る方法と、各方法のメリットやデメリットを紹介します。

参考:【美容センサス2019年上期】美容室・理容室編(株式会社リクルート)

目次



予約システムとは?

予約システムとは、予約の受付と管理を行うシステムです。飲食店、美容室、フィットネススタジオなど、さまざまな業種・業態で導入されています。ネット予約なら、24時間365日予約を受け付けることが可能になるので、店舗運営者にとっては受付業務の簡素化や機会損失の軽減が期待できます。

予約システムには大きく分けて「ポータル型」と「オウンド型」があり、両方を組み合わせて利用している店舗もあります。

ポータル型

ポータル型とは、さまざまな店舗情報が掲載されているポータルサイトのことを指します。飲食店であれば「ぐるなび」や「ホットペッパー」、美容室や美容サロンであれば「ホットべッパービューティー」や「EPARKビューティー」などが該当します。

オウンド型

オウンド型は、店舗による独自の予約サイトです。数十万円から数百万円の予算があれば、システムを一から構築し、ビジネスモデルに合わせた機能を搭載することもできます。少ない予算で始めたい場合は、予約システムサービスからテンプレートを選ぶ方法や、WordPressやMovableTypeなどのCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)のプラグインを使って自作することも可能です。
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オウンド型予約システムを作る方法

オウンド型の予約システムを作る方法は、主に三つです。

既存の予約システムを利用する

予約システムの普及に伴い、最近では無料もしくは格安で導入できる予約システムのサービスが続々と登場しています。既存の予約システムでは、用意されたテンプレートから好きなものを選んで必要事項を入力し、そのまま予約サイトとして使えたり、既存のホームページに埋め込んだりして使用します。専門的知識がなくても、画面の指示に従って入力をしていけば完成させることが可能です。予約システムによっては、無料でも予約件数に制限がなかったり、事前決済が行えたりするものもあります。

CMSのプラグインを利用する

WordPressやMovableTypeといったCMSで自社サイトを作成している場合は、プラグインと呼ばれる拡張機能を使って予約システムを構築することができます。CMSは、HTMLやCSSなどのウェブ構築用の言語を使わずにコンテンツを管理できるため、初心者でも比較的簡単にウェブサイトの作成・管理ができます。

開発会社に依頼する

自店舗のサービスに完全にフィットした予約システムを構築してもらうことができます。システムの開発方法には、いくつかのオプションからカスタマイズしていく方法と、既存のものをまったく使用せずに新規に開発する方法の二つがあります。新規に開発する場合は納品に数カ月かかることもあるようです。

既存の予約システムを利用するメリット

既存の予約システムを利用する場合には、どのようなメリットが考えられるでしょうか。

無料で利用できるサービスもある

予約システムの中には、初期費用も月額利用料も無料で利用できるサービスがあります。無料であっても事前決済機能やキャンセル待ち機能など、充実した機能が利用できるサービスもあります。自店舗のビジネスにはどのような機能が必要なのか、事前にしっかり検討して決めるとよいでしょう。

開発時間が短縮できる

予約システムサービスが用意しているテンプレートに必要事項を入力するだけで完成するので、開発にかける時間がほかの方法に比べて短く済むのが特徴です。また、初心者でも簡単に操作できるように工夫されているものも多く、ウェブの専門的な知識がなくても予約システムを導入することができます。

機能が豊富にある

予約システムの中には、顧客管理や事前決済、月額課金などのほかに、スタッフの勤怠管理やシフト作成まで行えるサービスもあります。また、InstagramやFacebook、「Google で予約」などの外部システムと連携できるものもあります。

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既存の予約システムを利用するデメリット

メリットの多い既存の予約システムですが、デメリットも挙げられます。

コストがかかる場合もある

予約システムによっては、初期費用や、おおよそ数千円から数万円程度の月額利用料が必要なサービスもあります。無料プランの場合は、利用できる機能が制限されていたり、受け付けられる予約数に上限が設けられていたりすることがあります。

選択肢が多すぎる

無料、有料問わず、さまざまな予約システムサービスが提供されているため、それぞれの機能などを比較して自社にあったものを選択しなくてはなりません。選択肢が多く、初めて予約システムを検討する人にとっては面倒に感じることもあるでしょう。

CMSのプラグインを利用するメリット

WordPressやMovableTypeといったCMSのプラグインを利用して予約システムを作る際、メリットにはどのようなことが挙げられるでしょうか。

カスタマイズの自由度が高い

宿泊施設など日数単位での予約や、飲食店や貸し会議室などの時間単位での予約や、イベントなど特定の日付だけの予約など、さまざまな予約タイプに対応したプラグインが用意されています。また、Google カレンダーやスケジュール管理ソフトであるiCalなどと同期できるものもあり、特に有料プランであれば、カスタマイズの自由度が高いのが特徴といえるでしょう。

低コストで始められる

予約システムのプラグインには無料ものも多く、低コストで始められるのが魅力といえるでしょう。無料でも十分な機能を搭載しているプラグインもあるので、デモ画面を確認しながら自社のサービスに必要な機能があるかどうかリサーチを行うのがおすすめです。

CMSのプラグインを利用するデメリット

CMSのプラグインを利用する場合のデメリットにはどのようなことが挙げられるでしょうか。

知識が必要な場合もある

プラグインの中には、HTMLやCSSを使ったコーディングが必要となるものもあります。ウェブ制作に関する知識が必要なほか、英語版しか配布されていないプラグインもあることから、英語を理解することが求められる場合もあります。

機能が豊富ではないこともある

予約システムに特化したサービスは予約管理にまつわる機能が豊富であるのに対し、プラグインは機能が限定的となっていることが多く、複雑な予約体系には向かない傾向にあります。

開発会社に依頼するメリット

システム開発会社に予約システムの構築を依頼する際に考えられるメリットについて解説します。

自社に最適なシステムになる

システム開発会社に依頼する場合、さまざまな提案を受けながら自社のサービスに必要なすべての機能を搭載した予約システムを構築することができます。企画から構築、保守、運用までを請け負う開発会社も多いので、ITの知識がなくても十分な機能を備えた予約システムを導入することができます。

開発会社に依頼するデメリット

システム開発会社に予約システムの構築を依頼する際に考えられるデメリットにはどのようなことが挙げられるでしょうか。

開発に時間がかかる

開発会社に依頼する場合、打ち合わせから予約システムの構築までに時間がかかります。ゼロから開発を始める「フルスクラッチ」では、開発期間が数カ月に及ぶこともあるようです。予約システムをすぐに導入したいと考えている場合は、デメリットといえるでしょう。

開発費用が高額になる

開発には、一般的に数十万円から数百万円の費用がかかるといわれています。大規模な開発では数千万円かかることもあるようです。システム開発会社で具体的な金額を公表しているところはほとんどなく、見積り請求となることが多いようです。
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予約システムで考慮すべき機能

予約システムを作るときに考慮すべき機能にはどのような項目が挙げられるでしょうか。

予約管理機能

ネットや電話、SNSのダイレクトメッセージなど、「どの経路」で「いつ」、「誰」の予約が入ったのかを記録し、自動でお客様に予約完了のメールやプッシュ通知を送ったり、過去の予約履歴をさかのぼれたりできる予約管理の機能は、予約システムの要です。受け付けられる予約数を管理できるシステムを利用すれば、オーバーブッキングやダブルブッキングなどのトラブルを防ぐこともできます

決済機能

決済機能の付いている予約システムであれば、事前決済が可能です。サービスを提供する前に会計ができるので、ノーショーと呼ばれる無断キャンセルやドタキャンなどの防止効果が期待できます。また、予約システムの中には、月謝など請求に便利な定額課金の機能がついたサービスもあるので、スクールなどを運営している事業者は導入を検討するのもよいでしょう。

顧客管理機能

予約システムの中には、お客様の情報が顧客情報として自動で登録されるものもあります。お客様の性別や年齢、過去の予約記録も確認できるので、適切なフォローアップを行うことができます。お客様のメールアドレスが登録されていれば、リピート来店を促すメールを送ることができるので、郵送のダイレクトメールよりも安価に集客ができます。

セキュリティー対策

予約システムではお客様の個人情報を扱うため、セキュリティー対策を万全にしなくてはなりません。万が一顧客情報が流出するような事態が起きてしまうと、社会的信用の失墜にもつながりかねません。通信の暗号化がなされているか、不正アクセス対策が取られているかなど、セキュリティー対策についてはきちんと確認しましょう。また、事前決済機能を利用する場合は決済代行サービス会社が、クレジットカード業界のセキュリティー基準である「PCI DSS」に準拠しているかどうかを参考にしましょう。「PCI DSS」には四つのレベルがあり、キャッシュレス決済サービスを展開するSquareは、最高レベルであるレベル1に準拠しています。

予約システムを自作する方法について紹介をしました。予約システムを導入する方法はいくつかありますが、簡単なステップで安価に利用できるのは、既存の予約システムを利用する方法です。

たとえば、Square 予約では、予約の受付・管理機能はもちろん、在庫管理、スタッフ管理、事前決済、POSレジなどの機能が初期費用も月額利用料も無料で利用できます。InstagramやFacebook、「Google で予約」などの外部予約システムとの連携も可能です。コストをかけずに予約システムを導入したい店舗におすすめです。

さまざまな予約システムを比較検討し、自社サービスに合ったサービスを上手に活用し、売り上げアップを目指しましょう。

予約管理はSquare 予約で

Squareの予約管理は無料から導入でき、事前決済はもちろん、有料プランの場合はキャンセル料も取れるので、ノーショウ対策もできます。専用アプリでも、お使いのブラウザでも、場所を問わず、どこでも予約の状況を確認、調整できます。


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執筆は2022年4月25日時点の情報を参照しています。2022年5月10日に一部情報を更新しています。
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