確定申告に必要な書類とは。万全な状態で期限内提出を目指そう

年が明けると、少しずつ忍び寄る確定申告シーズン。確定申告の期間は、毎年原則2月16日から3月15日とされており、土日の場合は後倒しになります。1カ月という短期間であるため、あらかじめに書類を提出する目処を立てておきたいところです。

この記事では、万全な状態で提出作業を進められるよう、確定申告に必要な書類を紹介します。前回の確定申告はいつまでに行えばいい?でも触れた通り、書類を忘れてしまい提出が期限を過ぎてしまった場合、加算税が発生してしまいます。このような事態を避け、気持ちよく提出作業を終えられるよう、必要となるものをあらかじめに把握しておきましょう。

▼2023年(令和4年分)の確定申告の変更点について詳しくは以下の記事で紹介していますので、ご参照ください。
2023年(令和4年分)の確定申告の変更点をわかりやすく解説

目次



確定申告に必要な書類6つ

確定申告は(1)管轄の税務署で書類を作成・提出する(2)郵送で書類を送る(3)e-Taxを利用し、インターネットから書類を作成・提出する、の三つの方法で行うことが可能です。

e-Taxで申請するうえで必要となるものや流れについてはこちらをご参照ください。ここでは税務署に足を運ぶ場合と、郵送での提出を希望する場合に必要なものを網羅します。

(1)本人確認書類
(2)申告書
(3)所得を明らかにできる書類
(4)控除を受けるための証明書類
(5)口座番号がわかるもの
(6)印鑑

詳しく見ていきましょう。

(1) 本人確認書類

確定申告を行う本人であることを証明するために、書類の提出とマイナンバー(個人番号)の記入が求められます。マイナンバーカードがあれば一枚で本人確認書類が揃いますが、お持ちでない場合は、以下にある(1)および(2)を本人確認書類として添付、または提示しましょう。

(1)番号確認書類(通知カード、マイナンバーの記載がある住民票の写し、またはマイナンバーの記載がある住民票記載事項証明書のいずれか一つ)

(2)身元確認書類(運転免許証、公的医療保険の被保険者証、パスポート、在留カードなどのうち、いずれか一つ)
※青色申告書を提出する方は、(1)番号確認書類の写しの添付または提示を省略することができます。

引用:申告書に添付・提示する書類(国税庁)

郵送の場合は、添付書類台紙を印刷、または税務署で入手したうえ、本人確認書類の写しを貼り付けて送付する必要があります。

一方で税務署に足を運ぶ場合は、本人確認書類の種類に応じて添付書類台紙への添付を求められることもあれば、本人確認書類の提示だけで済む場合もあるようです。ただし税務署内にはコピー機がないことも多いため、念のため写しを持参しておくと安心かもしれません。

(2) 申告書

申告書にはA、Bと二種類あります。使用する申告書は、申告する所得の種類によって異なります。違いを以下の表から確認しましょう。

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参考:【申告書用紙】(国税庁)

表にある「予定納税」とは、前年の所得税の金額が15万円を超える場合に前払いで納めなければいけない税金を指します。サラリーマンで副業をしている場合でも、予定納税があれば申告書Bを使用しましょう。

なお、確定申告書類を郵送する場合、申告書はこちらから作成し印刷する、もしくは管轄の税務署から入手しましょう。

(3) 所得を明らかにできる書類

年間の所得額を申告書に記入するうえで正式な金額が記された書類が必要となります。たとえば以下のような書類が該当します。

個人事業主の場合
青色申告決算書(白色申告を選択している場合は、収支内訳書)

源泉徴収の対象となる仕事を遂行している場合(フリーランサー、パラレルワーカーなど)
源泉徴収票(原本)、支払調書(原本)

株などの配当金について申告をする場合
配当の種類に応じた支払通知書

(4) 控除を受けるための証明書類

確定申告の控除は「所得控除」と「税額控除」の二つに大きく分かれており、どちらに区分されるかにより計算方法が異なります。

「所得控除」は所得合計額から差し引かれるもので、「税額控除」は所得税額から一定金額控除できるものとされています。たとえば近年利用者が増加しているふるさと納税などは「所得控除」の「寄付金控除」にあたります。ここでは所得控除と税額控除に分けて紹介します。

所得控除にあたるもの

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そのほか所得控除にあたるものについては国税庁のページをご確認ください。

税額控除にあたるもの

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そのほか税額控除については国税庁のページをご確認ください。

それぞれの控除を受けるうえで提出しなければいけない書類に関してはこちらを確認しておきましょう。

(5) 口座番号がわかるもの

確定申告書には、納め過ぎた所得税の還付を受けられるよう、口座情報を記入する欄が設けられています。「口座番号がわからなくて記入ができない」ということにならないよう、通帳など口座の情報がわかる書類を用意しておきましょう。

還付金を受け取る方法には、(1)銀行の預金口座またはゆうちょ銀行の貯金口座への入金、(2)最寄りのゆうちょ銀行、または郵便局での受け取り、の二つがあります。

参考:手順5 還付される税金の受取場所を記入する

(6) 印鑑

確定申告書類には捺印する箇所があるので、印鑑も忘れずに用意しましょう。また、印鑑はあくまでも本人確認の手段の一つであるため、ゴム印は避け、実印・認印・銀行印のいずれかを使用します。屋号の印鑑は複数名で共有する場合も考えられるので、避けましょう。

なお、確定申告の作業を簡易化するにはクラウド会計ソフトの利用がおすすめです。青色申告や白色申告など、申告方法によって必要な書類を簡単に作成できるうえ、パソコンだけでなくスマートフォンなどからでも操作ができるのも便利な特長です。以下のサービスを利用することで、確定申告に伴う作業負担を減らしてみてはいかがでしょうか。

マネーフォワード クラウド確定申告(個人事業主向け)
会計freee
やよいの青色申告オンライン

郵送する場合にも税務署に足を運ぶ場合にも、必要な書類が漏れてしまえば書類を再度郵送する、あるいは再度税務署に足を運ぶ手間がかかってしまい、場合によっては期限内に間に合わないことも考えられます。期限後申告に伴う無申告加算税を課されてしまわないためにも、必要な書類などはきちんと揃えたうえで、確定申告の書類作成に取り掛かりましょう。


続けて読もう!e-Taxで確定申告を行う方法

(1)確定申告はいつまでに行えばいい?
(2)確定申告に必要な書類とは?
(3)e-Taxで確定申告を行う方法
(4)確定申告の誤りを修正する方法