Green Basket Japan | Farmers Market キャッシュレス決済導入事例

お客さまが気兼ねなく買い物ができる販売環境を提供

2008年より東京・青山で毎週末開催されているFarmers Marketでは、都市と自然をつなぐ有機的なコミュニティーが、農的な生き方を実践する農家さんを中心にゆるやかに形成されている。農業という最古の商いを生業とする農家さんと、そのまわりに集う人々で形成された最も原始的、かつ重要ともいえるFarmers MarketがCash or Squareを通じてSquareとパートナーシップを組み、キャッシュレス化を推進していくなかでフォーカスしたのは、小田原でオリーブを中心に西洋野菜をつくるGreen Basket Japanの加藤かいさん。

お客さまとの距離の近さに魅力を感じ、2017年より毎週末欠かさずマーケットに出店する加藤さんに、今回のSquare導入によるキャッシュレス化で変化したお客さまとのコミュニケーション、そして、マーケットに参加し続ける意味について聞いた。

業種 農業
業態 野菜の生産・販売
利用しているサービス Square ターミナル
Farmers Marketへの参加理由 ・ 消費者や飲食店の方に直接販売できる場所を探していた
・Farmers Marketへの参加を通して、農家として新しいスタイルの提示につながった
Squareが役に立っている点 ・現金管理の煩雑さを解消
・会計でお客さまとの会話を遮らない
・販売機会の損失を防止

–「Green Basket Japan」立ち上げのきっかけは?

実は、はじめは農業をしようと思ったわけではありませんでした。以前はITの会社をやっていたのですが、ものづくりをする上ではプレーヤーで居続けたいという思いがあり、会社存続のためにそれが難しくなったタイミングで、イタリアンレストランをしていた父親が先祖から引き継いだ農地に遊び半分でオリーブの樹を100本植えたんです。

最初はあまり興味がなかったのですが、プレーヤーで居続けながらものづくりをするという意味で人生を賭けるには、このオリーブ栽培に可能性があるかもしれないと、オリーブオイルに合う野菜やハーブをつくりはじめたのが農家になるきっかけでした。あとは、オリーブ畑を10年やればフェラーリが買えるというウェブの経済指標に絆されました(笑)。

–Farmers Marketへの参加理由を教えてください

農業をはじめる前から単純におしゃれな場所として知っていたのですが、生産者として、実際に食べてくれる消費者や飲食店の方に買ってもらいたいと思い、はじめて野菜を販売したのがFarmers Market
でした。

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–Farmers Marketの魅力は何ですか?

お客さんです。農薬や化学肥料を使わないこともそうですが、農家が直接売りに来ることに興味がある人が来てくれるところです。もちろん自分の畑やバックグラウンド(栽培品種、品種の選抜、場所)を知ってもらうことがありますが、最終的に生産者の顔を見て買ってもらうということに意味があると思うので、Farmers Marketはすごく重要な場所だと思っています。

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–Farmers Marketで販売している商品や事業をする上でのこだわりはありますか?

なるべくこだわりを持たないことが、こだわりです。何かにこだわると、そこで止まってしまうので。その時点ではもちろんこだわっているけれど、なるべくこだわり過ぎず、アップデートできるようにしています。

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一方で、休まずにマーケットに毎週出続けることも大切でした。毎週参加している農家さんがいろいろなお客さんと接しているシーンを見ていたので、そこに自分も入っていくことが必要だと感じ、休まずに出続けることを決めました。端境期をつくらなければ、それが実現できる。そのために、新規就農で多品目、しかも農薬を使わずに栽培する、農業では一番難しいゾーンに入ってしまったのですが、負けず嫌いなところがあったので、そこを目指せたというのはあります。

あとはもう忍耐ですね。マーケットに毎週出続けるために徐々に品目を増やし、そのなかで常連さんやシェフから、「これ探してたの」「こういうのをつくってほしい」と求められる機会が増え、作物の幅がより広がっていきました。

–来場されるお客さまに変化はありますか?

最近は、以前にも増して消費者や飲食店の方が直接買いに来てくださるようになり、そういった方々に対して販売するということにすごく重みを感じています。

–対面販売の魅力は何でしょうか?

医学や科学で全て証明し切れているわけではないし、理論や理屈があり、安全性を見るベクトルも異なるなかで何を基準にすればいいかというのは、すごく難しいこと。では、最終的に何で判断するのか。やっぱりコミュニケーションを取って買うことだと思います。そこでの笑顔や会話、どんな風に料理するとか、農家の思いが伝わることが精神的な安全性にもつながるし、文字では表せないことがあると思っています。

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–実際にSquareをFarmers Marketで導入して、お客さまとのコミュニケーションに変化はありましたか?

野菜なのでどうしても少額のやりとりになるのですが、最近は小銭の振込や預入に対して手数料がかかってしまうことが問題でした。Squareに手数料がないわけではないですが、それに比べると煩雑さはなくなりますし、作業性も上がる。片付けでお店を離れるようなことも多いので、安心ですよね。

お釣りを数えるときは集中しなければならないので、無言になりがちですが、そういったアクションが減ることでコミュニケーションの量が少なからず増えました。少し時間ができるので、おすすめの食べ方を伝えたりしています。

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Farmers Marketのお客さんで多いのは、「大きいのしかないんですけど」と、1万円札を出すことに申し訳なさそうな方。なかには、今日は大きいのしかないから買い物は諦めようという方もいると思っているので、Squareを導入することで、そういったお客さんが気兼ねなく買い物ができるようになるのは嬉しいですよね。

「Farmers Marketのお客さんで多いのは、『大きいのしかないんですけど』と、1万円札を出すことに申し訳なさそうな方。Squareを導入することで、そういったお客さんが気兼ねなく買い物ができるようになるのは嬉しいですよね。」ーGreen Basket Japan 代表 加藤かいさま

–もしFarmers Marketに出店されていなかったら?

単一作物を農薬を使って栽培し、市場に出していたと思います。Farmers Marketに出たことで、畑の様子は大きく変わりましたし、それが農家としての「新しいスタイル」の提示にもつながったと思います。

–畑にはどんな方が来られますか?畑を訪れる魅力は何でしょうか?

シェフやマーケットの常連さんが来ることが多いです。コロナ禍でも1日おきに来るほどでしたが、畑が見きれないので、今は日程を決めさせていただき、一般の方も受け入れています。

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畑は、どうやって野菜を栽培しているのかを直接目で見てもらいながら伝えることのできる場所です。僕は単純に農薬や化学肥料を否定しているわけではないので、それを使う、使わないという判断をどうしているかなど、マーケットですべてを伝えきれない分、大きな意味があると思っています。

–農業を見据えた今後のビジョンを教えてください。

理想はたくさんありますが、コアの部分はしっかりとした「収入」だと思っています。そこがブレると精神的に続かないですし、農家だけでは発信できることも限られてくる。従来の農業共同組合のような横のつながりも大事ですが、林業や漁業、名のあるブランドが一次産業をサポートしてくれるようなことが起こることは大切だと考えています。異業種交流のなかに農業が入ることで広がる未来もあるのではないかと思っています。

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–事業を維持させている秘訣は何ですか?

嘘をつけないということでしょうか。そこにあるものが全てで、それを食べてもらうので。自分の分身ではないけれど、本来の姿として育てた野菜を並べているからこそ緊張するというか。でも、それがお客さんと向き合うということだと思っているので。

コロナの影響で街の状況が変化したことは事実ですが、常連さんは足を運んでくださいましたし、時々来てくださるお客さんやはじめてのお客さんに対しても求めていることは一緒だと信じ、同じようなコミュニケーションを心がけています。

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–農家としてのゴールはどこに定めていますか?

農業って、種苗会社のカタログを見て種を選んだり、地域の推奨品種をつくるのが普通なので、お皿の上を見ているわけではないんです。本来、お皿の上はそれを食べる人や作る人が見るものなので。でも、私はマーケットを訪れる食通の方やシェフからそういった意見をいただくことで、お皿の上をイメージしながら農業をすることができました。Farmers Marketは、情報交換の場でもあります。なので、種を蒔く時点から自分が考えているのは、お皿の上。お皿の上をイメージする農業をしようと思っています。

市場を通しているわけではないので、規格に捉われず、どういう料理になるか考えながら大きく採ることもあれば、包丁を使わないで済むように小さく収穫することもあります。

–最後に、これからのファーマーズマーケット像についても教えてください。

日本では青山のFarmers Marketが一番だと思って頑張って出店しているのですが、地方にも同じようなマーケット機能が必要だし、それは異業種との交流があってこそ叶う部分なのではないかと思って
います。

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Green Basket JapanがSquareで実現したこと

現金管理の煩雑さを解消

開店前の釣り銭の準備、閉店後の集計や入金、加えて屋外のイベントなどでは常に現金から目を離せないなど、現金管理に関して負担を感じているビジネスオーナーは少なくありません。さらに最近では硬貨の預入に手数料がかかるようになり、コスト面での負担も増えています。

Green Basket Japanが利用しているSquare ターミナルはクレジットカードを始め、少額の決済にも便利なPayPayや電子マネー決済に対応した決済端末です。キャッシュレス決済の導入により、Green Basket Japanでは現金管理にまつわる煩雑さが解消され、作業効率の向上にもつながっています。

会計でお客さまとの会話を遮らない

キャッシュレス決済のスピーディーさはお会計時間の短縮だけでなく、コミュニケーションの面でも利点があります。お釣りのやりとりで会話が途切れることがなく、時間に余裕ができる分さらに交流を深めることもできます。

販売機会の損失を防止

野菜など少額な商品の購入時に、お札を出すことに抵抗感を覚えるお客さまは少なからずいます。中には購入をやめてしまう人もいるでしょう。このような販売機会の損失防止に一役を買うのが、キャッシュレス決済です。特に少額の支払いに好まれるのが、QRコード決済のPayPayやSuicaなどの電子マネー。これらの決済方法が使えるとわかれば、ためらっていたお客さまも気兼ねせずに購入できます。

Squareでは、クレジットカードやQRコード、電子マネーの各種キャッシュレス決済が受け付けられる決済端末(Square ターミナル)に加えて、POSレジや売上分析などビジネスに役立つサービスや機能を多く提供しています。

この事例に登場したSquareのサービスは:
・ Square ターミナル

Squareなら、PayPay決済も最短翌営業日入金

SquareのPayPay決済は、お店が表示したQRコードをお客さまがスマートフォンで読み込むだけで完了。クレジットカードでも交通系電子マネーでも、PayPayでも、売上金の入金タイミングはすべて同じ、最短翌営業日。キャッシュフローも安心です。


Squareのブログでは、起業したい、自分のビジネスをさらに発展させたい、と考える人に向けて情報を発信しています。お届けするのは集客に使えるアイデア、資金運用や税金の知識、最新のキャッシュレス事情など。また、Square加盟店の取材記事では、日々経営に向き合う人たちの試行錯誤の様子や、乗り越えてきた壁を垣間見ることができます。Squareブログ編集チームでは、記事を通してビジネスの立ち上げから日々の運営、成長をサポートします。

執筆は2022年8月9日時点の情報を参照しています。当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。