日本人の食卓で長年使われてきた和食器は近年、外国人観光客からの人気も集めています。一方で、市場規模は年々縮小しているようです。
今回は、日本の文化のひとつともいえる和食器や、インテリアなどに使われる花瓶や飾り皿などの販売を行ううつわ専門店の集客のヒントを紹介します。
和食器などの焼き物は外国人のお土産として人気
日本人にとってはおなじみともいえる和食器をはじめとする焼き物は、和食ブームと相まって外国人観光客からも注目を集めています。
和食器の柄や模様、風合などが海外の食器では見られないようなものであり、日本文化を感じられるものとなっています。また、食器に漢字が書かれたものもあるなど外国人にとって魅力的に見えるものも少なくありません。
参考:陶磁器の最新技術動向と将来展望 (公益社団法人日本セラミックス協会)
焼き物業界の現状
一方、和食器をはじめとした焼き物業界は年々市場規模が縮小しています。経済産業省の「生産動態統計年報」を見ると、和食器は生産量・金額ともに2013年から2017年にかけて右肩下がりの状態となっています。
市場規模が縮小している原因としては以下のようなものが考えられます。
・生活の変化
・原料不足
・生産者の問題
まず、生活の変化に関しては、たとえば食生活が欧米化していることが挙げられます。和食だけではなく、洋食を口にする機会が多くなったこともあり、和食器を使う機会が減少したことが考えられます。
また、食器は頻繁に買い換えるものではないため、少子化が進む日本国内では飽和状態にあることも原因として挙げられます。さらに、海外から安く作られた食器が輸入されていることも市場縮小の原因と考えられます。
次に原料に関してですが、焼き物に使われる粘土を採掘する鉱山の閉山が続き、生産体制にも影響を及ぼします。
生産者の問題としては、後継者不足が挙げられます。長年和食器を作ってきた職人の高齢化も進み、後継者を確保するのが難しくなっていることが考えられます。明治以降、陶磁器の生産は分業化されており、ひとりの熟練した職人の廃業は他の生産者にも影響します。
陶磁器は日本を代表する文化のひとつであるといえますが、さまざまな背景によって窮地に追い込まれつつあるのです。
集客のためにできること
決して楽観視できる状況ではない和食器の市場において、和食器を販売するお店を経営している人が集客のためにできることは何ででしょうか。
まず考えられるのは他社との差別化です。たとえば店頭販売しか行っていない場合、インターネット販売を開始してみることが差別化として考えられます。インターネット上で販売ができれば、販売エリアを日本全国、さらには海外にまで拡大することができ、売り上げアップにつなげていくことができます。
また、店頭で販売する際も、現金以外の決済方法に対応することで、販売の機会を増やすことができます。海外ではクレジットカードなどのキャッシュレス決済が主流の国も少なくなく、日本を訪れる観光客もカードを主に利用することが予想されます。
和食が好きでり、和食器に興味を持っている外国人観光客も少なくありません。せっかく気に入った和食器を購入しようと思っても現金払いにしか対応していないのであれば、購入を断念してしまう人が出てくる可能性も考えられます。
クレジットカード決済のメリット
クレジットカード決済のメリットとしては以下のようなものが挙げられます。
・客単価を上げる
・客層を広げる
・売上管理が楽になる
客単価を上げる
現金払いだと当然ですが手持ちのお金以上の商品は購入することができません。せっかく欲しいと思った和食器があったとしても手持ちがないために諦める、というのはお客様にとってもお店にとっても非常にもったいないものです。
クレジットカード決済を選べれば、手持ちが足りないときでも欲しいと思った商品を購入することができます。また「ついでにこれも」と他の商品と一緒に購入してもらえる可能性もあります。クレジットカード決済を導入することで販売機会を失うことなく、客単価のアップが期待できます。
客層を広げる
現金決済のみの場合に比べて現金決済、クレジットカード決済の両方に対応していたほうが、客層が広がります。わかりやすい例が前述の外国人観光客です。
カード決済を導入することで観光客をはじめとして、普段からクレジットカードを好んで利用する層を顧客として取り込むことが可能になります。
売上管理が楽になる
現金で決済する場合、売り上げの管理も現金で行います。釣り銭を準備したり、レジ締め時に紙幣や小銭を数えたりなど、現金の取り扱い額が増えればその分管理に手間もかかります。クレジット決済を導入し、現金を減らすことで従業員の負担を軽減することにつながります。
おすすめの決済方法
クレジットカード決済を導入するメリットはわかっても、「導入の手数料が高そう、時間がかかりそう」と考えている経営者もいるのではないでしょうか。
Squareのカード決済では、手持ちのスマートフォンやタブレット端末をそのままカード決済端末として利用できます。スマートフォンやかタブレットに専用のアプリをダウンロードして、専用のICカードリーダーとBluetoothで接続すれば、クレジットカード決済、QRコード決済、電子マネー決済が受け付けられます。アプリのダウンロードとアカウント作成は無料ででき、ICカードリーダーは7,980円で購入できます。月額料金などはなく、導入後にかかるのはキャッシュレス決済があった際の決済手数料のみです。
初期費用をほとんどかけることなく、カード決済が導入できるため、試しに導入したいという経営者にもおすすめです。
焼き物の市場自体は縮小してきていますが、外国人観光客からの需要などチャンスはまだまだあります。他店との差別化を行う、という意味でもカード決済を導入してみてはいかがでしょうか。
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執筆は2018年10月18日時点の情報を参照しています。2022年9月15日に記事の一部情報を更新しました。 当ウェブサイトからリンクした外部のウェブサイトの内容については、Squareは責任を負いません。Photography provided by, Unsplash