キャッシュレス決済が現金決済を上回る中小事業者、緊急事態宣言下で25%超へ

2020年6月11日

Squareが 3,000加盟店の決済データをもとに過去一年のトレンドを分析

Square株式会社(所在地:東京都港区、本社CEO:ジャック・ドーシー)が、日本国内でSquare POSレジを使う全国3,000強の中小事業者の、2019年6月から2020年5月までの決済データを分析したところ、店頭での決済についてキャッシュレス決済が現金決済の件数を上回った事業者の割合が、この一年で概ね10ポイント増えたことが分かりました(※1)。

店頭でのキャッシュレス比率の推移

Squareの決済サービスは、スマートフォンやタブレット端末を使い、事業者が少額の費用でかんたんにクレジットカード決済を受け付けられるようになることから、個人事業主や小規模事業者を中心に全国で利用者が増えています。今回、無料アプリ「Square POSレジ」のレジ機能を使い、クレジットカード決済だけでなく、現金など他の支払方法についても「Square POSレジ」上で管理をしている加盟店の中から、過去に一定の決済金額および件数がある事業者を対象に、過去一年間の決済トレンドを分析しました。

分析の結果、主に以下のトレンドが明らかになりました。

  • 店頭でのキャッシュレス決済が現金決済を上回った事業者が、過去一年で10ポイント上昇
    キャッシュレス決済が現金決済を上回ったSquare加盟店は、昨年6月1日時点の17%から、ゴールデンウィーク直後の5月中旬には27%となり、10ポイント上昇しました。

  • キャッシュレス・消費者還元事業と新型コロナウイルスの感染予防で段階的に上昇
    昨年10月にキャッシュレス・消費者還元事業が始まった後、キャッシュレス決済が現金決済を上回ったSquare加盟店は20%を超え、3月下旬まで20%台前半で推移しました。その後、緊急事態宣言発令後にキャッシュレス決済が現金決済を上回る店舗はさらに増加しました。

  • 牽引するのは美容業
    業種別にみると、ヘアサロンやネイルサロンを含む美容業が最もキャッシュレス比率が高く、4月以降にキャッシュレス決済が現金決済を上回った美容業のSquare加盟店は40%前後で推移しています。次いでキャッシュレス比率が高いのは小売業で、4月以降概ね30%超で推移しました。一方、飲食業ではほぼ変動がみられず、キャッシュレス決済が現金決済を上回る小規模事業者は10%前後にとどまっています。

東京・蔵前のオーダーメイドの文具店「カキモリ」の代表取締役 広瀬琢磨さんからは、同店のキャッシュレス化について以下のコメントをいただきました。

「将来的には、完全キャッシュレスを目指しています。人件費や手数料(両替やATM利用)が上がりつつあり、現金決済を維持するコストは年々上がっています。そこに新型コロナウイルス感染症で公衆衛生に対する意識が一段と高まり、現金そのものや授受が不衛生であることが一般にも浸透しつつあったので、緊急事態宣言解除後、店舗再開にあたっては極力キャッシュレス決済をお客様にお願いすることとしました。決済手数料が下がれば、今後日本でも劇的にキャッシュレス化は進むと思います」

なお、キャッシュレス先進国の米国・カナダ・豪州・英国でも、SquareのPOSレジを利用する加盟店の決済データを分析したところ、決済件数の95%以上をキャッシュレス決済が占める中小事業者が、新型コロナウイルスの感染拡大後、いずれの国でも少なくとも3割以上に達していることが分かりました(※2、オンラインストア含む)。

Infographic2-02

今回、Squareが決済サービスを提供する5ヵ国の決済データを分析したところ、新型コロナウイルス感染症の流行で三密回避や外出自粛のため、ネット注文やタッチ決済はもちろん、テイクアウト商品の店外受け取りや、配達物の玄関前の非対面受け取りが、ニューノーマルとなりつつあることが分かりました。Squareも時代の変化に合わせ、今後も事業者に必要とされるツールを開発提供してまいります。

※1 2019年6月1日から2020年5月31日の期間のSquareのデータとその分析による。Square POSレジ上で現金とクレジットカードの両方の決済が確認でき、クレジットカード決済金額が最も大きい事業者3,000件超を調査対象とした

※2 Square, Inc. “Square Report: Cashless Payments and the Pandemic”参照, 米国東部標準時間 2020年6月10日6時公表