動画広告をスモールビジネスのマーケティングに活用する方法とは?

動画広告は近年、マーケティングのためのコンテンツとして市場が成長中の広告分野です。テレビやラジオのCMと違って、中小企業や個人事業主などのスモールビジネスでも活用しやすい動画広告は、文字と静止画像、音声のみの広告と比べて、オンライン動画の再生だけで簡単に事業や商品の情報が伝わります。多忙な現代人を引きつける動画広告の種類や制作のメリットを、わかりやすく紹介します。

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動画広告とは

ニュースサイトやソーシャルメディア、アプリなどの画面の一部に現れる動画広告は、もはやネットユーザーにとって目新しいものではないにもかかわらず、高いマーケティング効果を挙げるコンテンツであり続けています。動画広告市場は年々拡大の一途をたどっており、2018年末に行われた市場調査では、2018年の動画広告市場の規模は前年比134%増の約1,843億円、2024年までに動画広告市場は5,000億円規模に迫ると予測されています。

参考:サイバーエージェント、2018年国内動画広告の市場調査を実施

動画広告は、映像と音声、あるいはそこに文字情報も加えた広告です。チラシやブログ記事、バナー広告とは異なり、動きのあるビジュアル、音声や音楽に加え、ストーリーによってメッセージを伝えることができ、一度に伝わる情報量の多さが強みといえます。

スマートフォンの普及により、ラジオ、新聞、雑誌といった従来型メディアに触れる代わりに、スマートフォンの利用時間は長くなる傾向があります。こうした背景からも、スマートフォン向け動画広告は今後さらに広告マーケティングにおいて主要な重要な役割を担っていくと考えられます。

参考:「メディア定点調査2019」時系列分析(博報堂DYメディアパートナーズ)

動画広告の種類

実際に動画広告を自社のマーケティングに取り入れる場合、どんな手法でターゲットに見てもらうことができるのか、その代表的な種類を簡単に知っておくと良いでしょう。

動画広告の配信形態

動画広告の掲載場所やプランによって、配信の形態も違ってきます。

インストリーム広告: YouTubeなどの動画サイトで、コンテンツ再生の前後あるいは中間に差し挟むタイプ
アウトストリーム広告: 動画を主体としないウェブサイトやソーシャルメディアに入れ込むタイプ。掲載位置により、インリード広告、インフィード広告、インバナー広告がある

インストリームとアウトストリーム、いずれの場合も掲載先サイトや記事と動画広告のターゲットが同一、または近いことが重要です。それによりユーザーのストレスを最小限に抑えながら、最大の広告効果が期待できます。

最近ではこのほかに、タクシー車内に設置された画面、商談の会場など、インターネットブラウザ以外の特定の場所で流す動画広告も登場しており、BtoB、BtoCを問わずさまざまなビジネスで役立てられています。

動画広告の料金体系

動画広告には以下のような料金体系のものがあります。

・再生回数で課金
・インプレッション課金
・クリック課金

これらの料金体系は掲載媒体ごとに異なります。動画広告の利用目的に応じて、たとえばブランド認知拡大が目的なら再生やインプレッションごと、購買促進が目的ならクリックごとなど、料金プランを検討する必要があります。

動画広告を制作するメリットとデメリット

動画広告が広告主の人気を集めているのは、その高いエンゲージメント率が理由です。つまり、動画広告はマーケティングにおいて高い価値を持っているということであり、具体的には、以下のようなメリットがあります。

・複雑な内容も短時間で伝えられる
・視覚、聴覚に訴えかけることができる
・印象が強く、記憶に残りやすい
・ユーザーが事業内容を理解しやすい
・受動性が高いのでユーザーに受け入れられやすい
・パソコン、スマートフォンなどさまざまな媒体で再生可能
・希望のターゲット層にリーチしやすい

動画広告は特に、旅行や車などの趣味系、Eコマースなどのショッピング系、業務代行や転職サービスなどのビジネス系、習い事や学校など教育系の産業との相性が良く、結果に結びつきやすい傾向があることもわかっています。

一方、動画広告のデメリットとして以下のような点の検討が必要です。

・バナーなど静的な広告より制作費が高い
・コンテンツの修正が容易ではない
・強制視聴によるイメージの低下が起こることがある(インストリームの場合)
・動画のクオリティーが伝わりにくいことがある(小画面の場合)

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動画広告を活用する際の注意点

動画広告を自社のマーケティングに取り入れる際、どんなメディアに掲載するかを考えてから、最適な動画を制作(あるいは制作を依頼)することになります。そのためには、以下のようなポイントを意識しておく必要があります。

目的をクリアにしてから制作する
ブランディング、オンラインコンバージョン率の向上、認知拡大、購買促進など、動画広告はさまざまな目的で制作することができます。逆にいえば、目的設定の曖昧な広告は、ターゲットに届かない、あるいはメッセージを正確に伝えることができません。まずは目的をクリアにし、誰にどんなメッセージを伝えたいかを明確にしましょう。

見た人の心に残る仕掛けを
短時間とはいえ、動画広告を最後まで見たいと感じてもらうためには、見る人にとって魅力があることも重要です。ただ広告主が知って欲しいと考える情報だけを並べていては見向きもされない可能性があります。笑ってしまうような面白さ、真似したくなるようなセリフや動き、感動させるエピソードやキャッチフレーズ、刺激的でスタイリッシュな映像など、事業や商品により最適な要素を選び、動画のスクリプト(脚本)制作に生かしましょう。

人間を登場させる
動画制作のポイントとしては、「人」を登場させることが挙げられます。これはバナー広告などにも共通していえることですが、人、特に顔が、広告を見る人の目を引きます。特に、再生開始から3秒以内に人物が登場することで、視聴される割合が高まるといわれています。素通りされる動画広告にするのか、しっかり見てもらえる動画広告にするのかは、ストーリー設計が肝心です。

必ず字幕を付ける
さらに、音声を再生できない環境で動画広告を見る人もいることを踏まえ、字幕を付けることも重要です。また、耳の不自由な人や日本語が堪能でない人にとっても、字幕はコンテンツのメッセージの理解を大いにサポートします。

動画広告の長さに注意
動画広告と一言で表現しても、その長さは数秒から1分ほどまでと幅があります。手順や事業などを説明する動画広告なら30秒から1分が一般的ですが、多くは30秒以下です。ソーシャルメディアに掲載するなら、メディアごとに6秒から15秒程度と、最適な長さが異なります。

動画広告は、今後ますます市場規模の拡大が予想されています。つまり、ユーザーが動画広告に慣れることで、他の広告の価値にも影響が出てくる可能性を示唆しています。まずは、自社ビジネスが動画広告に適性があるかを分析するところから始めてみましょう。

執筆は2019年9月17日時点の情報を参照しています。
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