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海外観光客を効果的に惹きつける、小売店での集客法。東京大会に備えよう!

Square (スクエア), ブログ編集者

「インバウンド対策」とはよく耳にするものの、日々の業務が多忙で対策が打てていないお店も少なくないのではないでしょうか。なかには「そもそもどこから手をつければいいのかわからない」というビジネスオーナーもいるかもしれません。そこで今回は小売店に焦点を当て、見込み客の取りこぼしを防げるうえ、すぐに手をつけられることを5つにまとめました。機会損失防止や売上アップ、リピーター獲得にもつながるインバウンド対策。訪日観光客のラッシュが予想される2021年の東京大会前に、少しずつ始めてみてはいかがでしょうか。

前回の飲食店での訪日観光客の集客法に続いて、今回は小売店で見込み客の取りこぼしを防ぐ5つの方法と、接客のヒントを紹介します。

1. 機会損失防止の策:店先には「クレジットカード利用可能」などとPOPで伝える

日本クレジットカード協会が2016年に発表した資料によると、アメリカや台湾の日本ガイドブックには「クレジットカードが普及する一方で、現金はまだずっと広く使われている」などと支払いには現金が必要であることがわかりやすく書かれているようです。しかし世界各国ではキャッシュレス化が進んでおり、観光庁が2018年に発表した「訪日外国人の消費動向」の調査によると、対象者のうち56.6%がクレジットカードで決済を行なっていることもわかっています。特に訪日観光客の半数以上を占める中国と韓国ではキャッシュレス決済が主流となっています。

慣れ親しんだ決済方法が使えることを知れば、財布の残高やATMを探すことに気をとられず、安心して買い物を楽しめるでしょう。使用できるクレジットカードのロゴを店先に貼り出しておくことで、入店を促しましょう。

参考:
訪日外国人の消費動向(国土交通省 観光庁)
観光立国実現に向けた業界としての取り組み(日本クレジットカード協会)

また、クレジットカードの利用の他にも免税店であれば「Japan. Tax-Free Shop」のステッカーを貼る、飲食禁止であればその旨を記す、などするとわかりやすいでしょう。特にピクトグラムであれば、瞬時に伝わり、わかりやすいかもしれません。一般社団法人ジャパンショッピングツーリズム協会(JSTO)はウェブサイト上で定番のピクトグラムを配布しており、こちらから無料でダウンロードができます。

2. 売上アップの策:免税店の申請をする

お得感に惹かれるのは、万国共通。特に大きな買い物の場合、消費税がかからないことで思い切って購入に踏み込めることもあります。このように売上アップを狙う方法として、免税店の申請を行なってみてはいかがでしょうか。流れとしては、必要な書類を準備し、納税している税務署で審査を受けます。その後、別途シンボルマークである「Japan. Tax-free Shop」の使用申請をし、店に貼り出し、免税店であることをアピールします。シンボルマークの使用方法について不明点がある場合はこちらが役立ちます。

参考:免税店になるには(観光省)

自ら申請をすれば無料ですが、「資料を用意する時間がない」「税務署に行く時間がない」という場合は、免税店代行会社に依頼してしまうという手もあります。サポートの内容にもよりますが、数千円からの依頼もできるようなので、少しでも時間を削減したい場合は代行会社の手を借りてみましょう。

対象者や対象品目、会計時の流れなどはこちらで詳しく説明しています。

3. 売上アップの策:クレジットカード決済に対応する

先進国ではキャッシュレス化が加速しています。たとえば韓国オーストラリアではクレジットカードの利用率が現金の利用率を上回ることは、「世界のキャッシュレス事情」でも紹介しました。

キャッシュレス決済が日常化しつつある国から来た観光客にも対応できるよう、導入を検討したいクレジットカード決済。そのメリットは消費者だけでなく小売店も受けることができ、効果としては売上アップや来客数の増加などが挙げられます。

経済産業省が2017年に発表した調査によると、小売業(土産物以外)の90.5%は、「クレジットカード導入によるメリットを感じている」と回答しています。高訪問率地域(※1)では「外国人の来店客数や来訪者数の増加」がメリットとして最も多く挙げられており、中訪問率地域(※2)と低訪問率地域(※3)では「売上の増加」が最も多い結果が出ています。

※1. 東京都、京都府、福岡県
※2. 神奈川県、愛知県、北海道、沖縄県
※3. 広島県、青森県、香川県

参考:観光地におけるキャッシュレス決済の普及状況に関する実態調査(経済産業省)

クレジットカード決済を取り扱ううえでの懸念点の一つとされる初期費用や導入費用を低額に抑えられるモバイル決済端末が近年、さまざまな場所で導入されています。たとえばSquareの決済端末であれば、初期費用は端末代の7,980円(税込)のみ。月額利用料金などの固定費用はなし。決済ごとの手数料のみで運用できるので、ランニングコストを抑えながらクレジットカード決済を導入できます。詳しい料金体系はこちら

4. おもてなしの策:商品の場所や内容をわかりやすくする工夫を加える

観光庁が2019年に発表している小売分野での多言語対応に関する調査では、「困った買物シーン」として「商品を探す際」(22.2%)や「商品の内容や使い方を探す際」(19.6%)が上位を占めています。

参考:「小売分野の多言語対応に関する 訪日外国人旅行者の意識調査」 調査結果(国土交通省 観光庁)

対策としては以下が挙げられるでしょう。

・商品をカテゴリー別に陳列し、カテゴリー名を多言語で記載する
・商品の使い方を多言語でPOPに書き出して、商品の横に貼り出す

同調査によると「簡単な絵の表示があるとわかりやすい」という声もあることから、説明にイラストを加えるのも一つの方法として挙げられるでしょう。

5. おもてなしの策:日本の要素を含んだ商品をラインアップに取り入れる

多くの海外観光客が立ち寄る人気雑貨店「LOFT」が2017年に発表した「訪日外国人に人気のお土産ランキング」では、下記のような結果が出ています。

1位 「毛穴撫子お米のマスク」
2位 「亀の子スポンジ」
3位 「ゼブラ サラサクリップ05」

そのほかにもミニチュアボトルのお酒各種や爪切りが挙げられていることから、お土産選びには日本製だと見て取れるものや日本らしさが感じられる商品が好まれる傾向にあることがわかります。産経WESTの記事によると、東急ハンズ心斎橋店では歌舞伎のメイクをイメージした美容フェイスマスクも人気商品の一つのようで、「ひとめで日本製とわかるデザイン」は訪日観光客の目を惹きやすいようです。

参考:
定番のものから変わり種まで ロフトで、訪日外国人に人気のお土産!(2017年8月吉日、株式会社ロフト)
「歌舞伎マスク」爆買い?! 和菓子屋さん製造に仰天 うける「日本製」の安全安心(2015年7月4日、産経WEST)

たとえば招き猫や富士山、お寿司など日本のモチーフとなるものを商品のデザインに忍ばせたり、日本製なのであれば「MADE IN JAPAN」とわかりやすくパッケージに記したり、日本のグルメや観光名所をアピールポイントに生かしたりして、訪日観光客の購買意欲を駆り立ててみてはいかがでしょうか。

接客をするうえでの心がけ

2016年に観光庁が発表した訪日観光客を対象としたアンケートで、訪日観光客が最も困ったこととして挙げられていたのは「施設等のスタッフとのコミュニケーションがとれない」でした。

参考:「訪日外国人旅行者の国内における受入環境整備に 関するアンケート」結果(観光庁)

まずは基本的なフレーズを使いこなすためにも、従業員の間で共有できるレジの横にフレーズ集を置いて、必要なときに手に取る癖をつけるといいでしょう。たとえば東京商工会議所の世田谷区支部は接客マニュアルを発行しており、小売店で使える基本フレーズがまとめられています。

たとえば洋服屋さんであれば「Would you like to try it on?(試着されますか)」と話しかけてみたり、困っている人がいれば「Hello. May I help you?(こんにちは。何かお探しですか?)」などと声を掛けてみたりするだけでもお客様はほっとするかもしれません。

参考:世田谷スマイル接客マニュアル(東京商工会議所)

訪日観光客が一層増えることが予想される東京大会が開催されるタイミングは、インバウンド対策をはじめる絶好の機会です。訪日外国人にとって一番の障壁になるのはコミュニケーションかもしれませんが、英会話を極める以外にも、訪日観光客に気持ちよく買い物をしてもらうための施策は多くあります。たとえば店先にPOPを貼り出したり、クレジットカードに対応したりするのもその一例です。今回紹介した方法を取り入れながら、機会損失を防止し、売上アップやリピーター獲得を目指してみてはいかがでしょうか。

▶︎▶︎▶︎宿泊施設ができるインバウンド対策

(1)飲食店ができるインバウンド対策
(2)小売店ができるインバウンド対策
(3)宿泊施設ができるインバウンド対策
(4)地方自治体ができるインバウンド対策

執筆は2019年10月25日時点の情報を参照しています。2020年2月25日、4月1日に記事の一部情報を更新しました。
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